日産 マイクラ(マーチ)後継EV投入か 丸目ライトの大胆な3ドア車「20-23」の正体は?

公開 : 2023.09.26 06:05

・日産が3ドアの小型EVコンセプト「20-23」を英ロンドンで公開。
・欧州向けマイクラ(日本名:マーチ)の後継車か。日産は後継EVの投入を予告。
・丸目ヘッドライト、曲線的なボディは市販車にも引き継がれる可能性。

欧州デザインセンター設立20周年を記念

日産は9月25日、モータースポーツをテーマにしたEVコンセプトカー「20-23」を英国で公開した。コンパクトハッチバックのマイクラ(日本名:マーチ)の後継車を予告するものと考えられる。

英ロンドンのパディントンにある日産デザイン・ヨーロッパ(NDE)設立20周年を記念して製作されたモデルで、フォーミュラEへの参戦と、日産の「大胆なハッチバックの伝統」にインスパイアされたという。

日産20-23コンセプト
日産20-23コンセプト    日産

20-23コンセプトは、日産の内田誠社長兼CEOによってNDEの本社前で発表された。「スポーティ・アーバン」なEVであることを強調するために、ロンドンの中心部が発表の場に選ばれたという。20-23という名称は、NDEの設立20周年と、2(ニ)と3(サン)という社名を掛け合わせたもの。

製作を担当したNDEは「制約のない」クルマのデザインを追求し、チームメンバー自らが「働く街の路上で」運転したいと思うものを目指した。フロントとリアに巨大なディフューザーを採用し、大型リアウイング、オーバーフェンダー、超ロープロファイルのレーシングタイヤを装着するなど、レーシングカーのような外観となっている。

ルーフスクープ、レーシングナンバー、スーパーカーのようなシザードア、ウイング上部のエアチャネル・ルーバーなど、派手な要素を持ち込んだスタイリングは「ハッチバックとシティカーの世界に人目を引く遊び心をもたらすという、日産の長い伝統」を継承するものだとされている。

日産は2030年までに欧州で完全電動化を目指す

日産はまた、20230年までに欧州向けの新車販売をすべてEVとする目標を明らかにした。日産はこの目標に向け、19車種のEVを含む27車種の電動モデルを導入するとしており、その中にはマイクラの後継車も含まれると明言している。

20-23コンセプトは、CMF-BEVプラットフォームを採用している。これは、アライアンスパートナーのルノーが2024年に発売予定の次期EV、ルノー5やアルピーヌA290と同じプラットフォームである。

日産20-23コンセプト
日産20-23コンセプト    日産

マイクラの後継車は昨年初め、コンパクトな5ドアモデルとして予告画像が公開された。丸みを帯びたボディや円形LEDヘッドライトは、20-23コンセプトに引き継がれたようだ。コンセプトにリアのサイドドアは見られないが、両車のシルエットとプロポーションはよく似ている。

ただし、20-23コンセプトのインテリアが市販車に反映される可能性は低く、「レーシングカーの機能性をそのまま未来的に解釈したもの」となっている。

深いバケットシートに座るためには、ドア開口部に設けられたブレースバーを乗り越えなければならない。乗員の身体を守るためのフォームパッドが随所に配置されており、ドライバーはスイッチやボタンがずらりと並んだヨーク型のステアリングを握ることになる。電気モーターと回生ブレーキの設定を調整するためのパドルもある。

日産によれば、消火器、むき出しの金属加工、「重要な情報を表示する2、3枚のスクリーン」を備えたスパルタンなキャビンは、市販車では広々とした快適性重視のレイアウトに変更されるという。最近の日産のコンセプトカーの数々(SUVのアリアも同様)はミニマリズムに重点を置いているため、マイクラ後継車もそれに倣う可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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