【150万円台の小さなチューニングカー】魂を奮い立たせる!日産マーチ12SRの思い出

公開 : 2025.07.19 11:45

2003年10月15日に発売された『日産マーチ12SR』をご記憶でしょうか。今でも「あの時に買っておけばよかった」と思う150万円台の小さなチューニングカー、その思い出を木原寛明が語ります。

1台のクルマを夢中になって走らせた

ちょっと古い話を聞いて欲しい。今から約20年前のこと。僕は1台のクルマを夢中になって走らせた。あの時以上に楽しかった試乗は、今までなかったかもしれない。

先日、ある著述業の先輩と電話で長話をした。この先輩とは20数年の付き合いがあり、AUTOCAR JAPANが雑誌の時代、よくふたりで新車試乗会に行ったり、個別にクルマをお借りして見分したり、深夜のファミレスでクルマ談義に花を咲かせたものだ。あの頃が懐かしい!

2003年10月15日に発売された日産マーチ12SRは、3ドアが152万円、5ドアが154万5000円だった。
2003年10月15日に発売された日産マーチ12SRは、3ドアが152万円、5ドアが154万5000円だった。    日産自動車

「でもね、今の世の中で自動車の評論をするのって難しいよね」

突如、先輩が語り始めた。

「だって、どのクルマに乗ってもよく出来ていて、悪いクルマってないじゃない? 電気自動車だとなおのこと、運転フィーリングも似ているし……」

確かにそうだと僕も思った。事実、20年前は試乗したクルマの出来の良さ、愉しさにやられてしまい、すぐに購入を決めたり、ディーラーに行って見積もりを取ったりすることがあった。

そして、タイミングでどうしても購入は出来なかったものの、今でも『あの時に買っておけばよかった』と思うクルマの筆頭が『日産マーチ12SR』だ。1000万円以上するスポーツカーにもありがたいことに多く取材で乗らせて頂いたが、心ら惚れたのは152万円のマーチだった。

クルマを操る楽しさを提供するエントリースポーツ

マーチ『12SR』は、旧オーテックジャパンが3代目日産マーチの『12c』をベースに仕立てた、言わば合法チューニングカーだ。

『クルマを操る楽しさを提供するエントリースポーツ』というコンセプトのもと、CR12DEエンジンの高出力化に加え、専用サスペンション、エキゾーストシステムをトータルチューニングし、走行性能を向上させたスポーツモデルである。

インテリアは、スポーツドライビングにふさわしい装備、空間となっている。
インテリアは、スポーツドライビングにふさわしい装備、空間となっている。    日産自動車

エンジンは、専用ピストン採用による圧縮比アップのほか、高回転型カムプロフィール採用や、排気マニホールド径拡大などを実施。さらに、低排圧キャタライザー、専用構造マフラー採用による排気効率向上などにより、最高出力はベース車から20%アップの79kW(108ps)を実現した。

シャシー関係では、人車一体のキビキビした走りを可能にした専用スポーツチューンドサスペンション、185/55R15 81Vラジアルタイヤ(ブリヂストン製ポテンザRE-01)を採用。

また、高出力化に伴い、車体剛性向上のために採用した専用テールクロスバーや、同年7月に発売したスポーティグレード『14s』と同様のエアロパーツおよび専用フロントエアスパッツ採用により、優れた操縦安定性と高速安定性を目指した。

インテリアには、12SR専用設計のスポーツシートのほか、オレンジステッチを施した専用ディンプル付本革巻ステアリング、本革巻シフトノブ、高い操作性を得るために専用アルミペダルを採用し、スポーツドライビングにふさわしい装備、室内空間とした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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