ニュルブルクリンク 後輪駆動車(FR)最速記録 「緑の悪魔」を制したハイパフォーマンスモデル

公開 : 2023.10.01 18:05

・「緑の悪魔」と呼ばれるニュルブルクリンクで、最速記録に挑むマシンたち。
・後輪駆動車カテゴリーで圧倒的なタイムを叩き出した7台を紹介。
・ポルシェ、メルセデス、ラディカルがランキングを独占。

後輪駆動車部門:1 – ポルシェ911 GT2 RS – 6:43:30

ここからは、後輪駆動車(FR)としてニュルブルクリンク最速に挑んだマシンを紹介していこう。

ポルシェ911 GT2 RSは、メルセデスAMGのこれまでの記録を4.747秒更新する6分43秒30のラップタイムにより、後輪駆動車部門の新記録を樹立した。記録走行では、シャシー、エアロダイナミクス、ブレーキを変更するマンタイ・パフォーマンス・キットを装着。また、フロントスポイラーに追加フラップ、カーボン製アンダーボディ、エアガイドエレメントの追加、新しいスポイラーとディフューザーが装着されていた。

1. ポルシェ911 GT2 RS
1. ポルシェ911 GT2 RS

2 – メルセデスAMG GTブラックシリーズ – 6:43:62

メルセデスAMGのフラッグシップモデル、GTブラックシリーズはオプションのトラック・パッケージの装着を除き、ノーマルと変わらない仕様で記録に挑んだ。調整可能なエアロ、キャンバー、サスペンションはすべてサーキット向けに最適化されていたが、メルセデスは気温が低く、路面状況も悪かったため、コンディションは「理想的ではなかった」と主張している。

2 - メルセデスAMG GTブラックシリーズ
2 – メルセデスAMG GTブラックシリーズ

3 – ポルシェ911 GT2 RS – 6:47:30

ポルシェ911 GT2 RSはノルドシュライフェを疾走し、長年のチャンピオンであるラディカルSR8LMを約1秒上回った。ツインターボの3.8Lフラット6と、ポルシェの7速PDKトランスミッションを搭載。ルーフはマグネシウム製で、フロントリッドやフロント&リアウイング、トランクリッドはカーボンファイバー製である。車両重量は1470kgと謳われており、そうした軽量化のおかげで、6分47秒30というラップタイムを叩き出すことができたのは間違いない。

3 - ポルシェ911 GT2 RS
3 – ポルシェ911 GT2 RS

4 – ラディカルSR8LM – 6:48:28

正式な型式承認ではなく、英国で単一車両承認を得ていることから、市販車としてカウントすべきどうかという議論もある。しかし、そうした疑問は別として、ラディカルSR8LMのタイムが驚異的であることは間違いない。パワーを後輪にしか送っていないことが、その過激さをより一層際立たせている。

4 - ラディカルSR8LM
4 – ラディカルSR8LM

5 – ラディカルSR8 – 6:55:00

ラディカルは後輪駆動車部門のトップ5に2台食い込んでいる。第5位はドミニク・ドブソン氏のドライブで2015年の米パイクスピーク・ヒルクライムを制したSR8だ。ニュルブルクリンクでは、ミハエル・ヴェルガース氏がドライバーを務め、公道走行可能な後輪駆動車としてラップレコードを樹立した。その後、2010年6月29日に上記のSR8LMに道を譲っている。

5 - ラディカルSR8 - 6:55:00
5 – ラディカルSR8 – 6:55:00

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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