ポルシェ911 詳細データテスト 魅力的なMT ハードな足回り できればよりアナログなシャシーを

公開 : 2023.09.09 20:25  更新 : 2023.10.24 20:14

バリエーションの多すぎるポルシェ911に、低価格な走り志向のモデルとして追加されたカレラT。レスパワーのエンジンとハードなシャシーの組み合わせは日常使い向きではないですが、これが刺さるドライバーもいるでしょう。

はじめに

10万ポンド(約1840万円)以下で買えるポルシェ911が、今や1仕様しかないというのが現実だ。今回のカレラTも、多少ながら超えてしまう。

Tはツーリングを意味するが、シンプルで重量を削減したドライバー志向の仕立ては、911ライトウェイトとでも呼んだほうがわかりやすい。それがすべてだと言ってもいい。

テスト車:ポルシェ911カレラT
テスト車:ポルシェ911カレラT    JACK HARRISON

スタンダードなカレラとカレラSとの間に位置するが、そのポジショニングは、はっきりしたレゾン・デートルを主張できない、どっちつかずのモデルとなるリスクも孕んでいる。

しかしポルシェはこのクルマに、特別な装備をいくつか与え、妥協のないキャラクターを定義づけた。しかしながら、先代カレラTに用いられたような軽量化策をそのまま引き写したのではなく、複雑さを排して、アナログ感覚を強調している。

今回のテストでは、カレラTのアイデンティティを解き明かすのだが、さらに季節外れの雨により、ポルシェが最近生み出したウェットモードが、すべりやすい状況で911のパフォーマンスにもたらす違いを明らかにすることも、図らずも可能になった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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