ID.3に新たな兄弟誕生 フォルクスワーゲンの新型コンパクトSUV 2026年に発売へ

公開 : 2023.10.02 15:50

バッテリーEVのID.3に新たな兄弟が誕生 2026年に発売へ MEBエボを共有し生産効率を向上 タイロンとトリニティも生産準備が進行中

ID.3の車高を持ち上げたモデルが2026年に

フォルクスワーゲンは、一層の量販を実現する電動コンパクトSUVを、2026年に発売するという計画を明らかにした。同社のID.4よりひと回り小さいサイズで、車高を持ち上げたモデルになると考えられる。

現行モデルの電動ハッチバック、ID.3と並行してドイツ・ヴォルフスブルク工場で生産される見込みで、同社のMEBエボと呼ばれる新しいプラットフォームを基礎骨格にするようだ。

フォルクスワーゲンID.3をベースとしたクロスオーバーのイメージ・レンダリング
フォルクスワーゲンID.3をベースとしたクロスオーバーのイメージ・レンダリング

この新モデルの発売時期は、現地時間2023年9月30日の同社取締役会で示された、2028年へ向けた自社工場ネットワークの体制に関わる情報の1つとして、明らかになったもの。

プラットフォームを共有するモデルをグループ化し、生産効率を最大化することが、今後の重点課題になるという。様々なモデルを世界各地の生産拠点へ最適に割り振る計画が、今後順次進められていくことになる。

タイロンとトリニティも生産準備が進行中

フォルクスワーゲンの生産を統括するクリスチャン・フォルマー氏は、次のように述べている。「私たちは電動モデルへの移行を、生産工程の複雑さを減らし、生産効率を一層高める機会として活用しています」

「工場内で作られるすべてのブランドに関して、同じアーキテクチャをベースとするモデルを、体系的に統合しています。これにより、大幅な投資削減が可能になります」

フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)

「さらにいえば、弊社の工場毎に1つのアーキテクチャの技術をベースとした、複数のモデルを生産したいと考えています」

ヴォルフスブルク工場では、既存のID.3と今回の新しいコンパクトSUVに加えて、2024年に大改良を受ける予定のゴルフと、新しいティグアンの製造も行われる。またティグアン・オールスペースに代わる新モデル、タイロンも2025年から生産が始まるようだ。

今回のフォルクスワーゲンの取締役会で、高度な自律運転を叶えた新型フラグシップモデル、トリニティ専用の工場が設けられないことも判明した。現在、ID.3とID.5が製造されているドイツ・ツヴィッカウ工場で生産されるという。

2022年にAUTOCARでは、トリニティの開発の遅れに伴い、専用工場が準備されない可能性をお伝えしている。内燃エンジンモデルの需要減少に伴い、既存の工場ネットワークに余剰が生まれることが見込まれていたためだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

フォルクスワーゲンの人気画像