新型スペーシアが、スズキの切り札となるワケ 軽のトップ争いが過熱

公開 : 2023.11.09 11:36

スズキ新型「スペーシア」が11月22日に発売。「オットマン」のような機能を装備し、価格は153万100円~。見所をご紹介しましょう。

3代目スペーシア発表 153万円~

スズキが、軽スーパーハイトワゴンの「スペーシア」および「スペーシア・カスタム」をフルモデルチェンジ。11月22日より発売すると発表した。

スペーシアは2013年、それまでのパレットの後継モデルとして初代が登場。2017年末に2代目にフルモデルチェンジされ、今回の新型は3代目にあたる。

左が新型スペーシア・カスタム・ハイブリッドXSターボ(アーバンブラウンパールメタリック)。右が標準型の新型スペーシア・ハイブリッドX(オフブルーメタリック×ソフトベージュ2トーンルーフ)。
左が新型スペーシア・カスタム・ハイブリッドXSターボ(アーバンブラウンパールメタリック)。右が標準型の新型スペーシア・ハイブリッドX(オフブルーメタリック×ソフトベージュ2トーンルーフ)。    前田惠介

「標準」と「カスタム」というラインナップは初代から設定されており、2018年末にはクロスオーバーSUV風の「スペーシア・ギア」、2022年夏には4ナンバー(商用)の「スペーシア・ベース」も設定されてラインナップを拡大。いずれのモデルも人気を集めた。

さて、軽スーパーハイトワゴンといえば、“絶対王者”的存在であるホンダNボックスが10月にフルモデルチェンジされたばかり。初期受注は新車効果もあり、なかなか好調だという。

そして、三つ巴の販売合戦のもう1台となるダイハツのタントは、昨年にマイナーチェンジ。クロスオーバーSUV風のファンクロスも追加設定し、バリエーションを拡大して迎撃態勢を完了している。

三菱も、デリカ・ミニを今春に発売してヒット作となった。日産もルークスを同時期にマイナーチェンジし、内外装のクオリティアップを図っている。

このように、軽スーパーハイトワゴン市場はまさに群雄割拠の戦国時代。そんな渦中へ参戦する新型スペーシア/カスタムには、どんな「ウリ」があるのか。その注目点を何点か紹介していこう。

「マルチユースフラップ」とは

まず新型スペーシアでは、従来型以上に後席の快適性を重視した。

乗り降りのしやすいリアステップ地上高(345mm)やスライドドア開口幅(600mm)、開口高(1250mm)に加え、持ち手部分を拡大した乗降グリップにより、後席の乗降性を高めている。

マルチユースフラップを「荷物ストッパーモード」にした状態。奥の座席が通常時。写真は標準型ハイブリッドXの内装。
マルチユースフラップを「荷物ストッパーモード」にした状態。奥の座席が通常時。写真は標準型ハイブリッドXの内装。    前田惠介

ユニークな装備は、リアシートにスズキ車で初採用された「マルチユースフラップ」だ。

これは、

「オットマンモード」:座面前端部のフラップを引き出して角度を変えて“くつろぎ感”を得る

「レッグサポートモード」:走行中の姿勢安定をサポート

「荷物ストッパーモード(写真)」:荷物の落下防止をサポート

という3つを選べるというもの。

そもそもの発想は「大事な荷物はラゲッジや後席のフロアには置きたくない。けれどリアシート座面に置いておくと、ブレーキングなどで下に落ちてしまう……なんとかならないか?」というところから始まったという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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