アルピーヌA110 詳細データテスト 完成度の高いシャシー モアパワーがほしい もう少し安ければ

公開 : 2023.11.25 20:25

結論 ★★★★★★★☆☆☆

アルピーヌは、A110Rの開発に大胆な手を打ってきた。ポルシェのGT系などのモータースポーツ系モデルに真っ向勝負を挑むため、それでいて自国市場の制約をかわすため、みごとな仕事をしてみせたともいえる。

しかし、完成したクルマは、可能な限り魅力的に仕上げた一方で、明らかな制限も受けている。ライトウェイトスポーツならではのかっ飛びっぷりには惹かれるものがある。コーナリングスピードには思わず笑いたくなるし、サーキットのラップはマッスルカーを上回るものがある。しかもじつに実用的で、速いロードカーとしても驚くほど夢中にさせてくれる。

結論:ハードコアなA110には独特の魅力があるものの、9万6290ポンド(約1800万円)の値付けは高すぎる。
結論:ハードコアなA110には独特の魅力があるものの、9万6290ポンド(約1800万円)の値付けは高すぎる。    JACK HARRISON

しかし、軽かろうが、フランス車であろうが、もっとソソる、ドラマティックなエンジンが、ドイツや英国のライバルと渡り合うには必要で、より活気のあるシャシーが、10万ポンド近い価格を正当化するには求められる。

通常のA110よりハンドリングに優れたクルマだと思うかどうかは、どこでどのように走るか、もしくは個人の好みによるところが大きい。たしかに、異なるハンドリングの持ち主だ。そしておそらく、ラインナップの中で確固たる地位を得るだろう。とはいえ、われわれとしては、アルピーヌとA110をスペシャルなものにするには、走りにやや深みが足りないと思えてしまうのだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

もしもA110Rを手に入れても、カミさんはあまり一緒に乗りたがらないかもしれない。その理由は6点ハーネスではなく、助手席エアバッグの欠如だ。そのことで、購入を思いとどまるユーザーが出ないといいのだが。

イリヤ・バプラート

ルームミラーがないことに悩まされたのは1時間かそこらで、すぐに慣れてしまった。普段バンに乗っているなら、まったく気にならないはずだ。バンとA110Rが並ぶガレージというのは、なかなかおもしろい眺めになりそうだが。

オプション追加のアドバイス

ダーク系カラーのほうが、カーボンのボディワークとフィットする。500ポンド(約9.4万円)のストレージパッケージは追加したいが、575ポンド(約10.8万円)のプレミアムオーディオはいらない。

改善してほしいポイント

・エンジンパワーを上乗せして、ドラマティックさを高めてほしい。
・ハンドリングのバランスをちょっと手直しして、もう少し遊べる要素をプラスしたい。
・価格が少しでも下がれば、申し分ないところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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