アルピーヌA110 詳細データテスト 完成度の高いシャシー モアパワーがほしい もう少し安ければ

公開 : 2023.11.25 20:25  更新 : 2023.12.13 05:44

内装 ★★★★★★★★☆☆

新たなシートや6点ハーネス、ドアハンドル代わりの鮮やかなループは、通常モデルとの違いがわかりやすいポイントだ。

妥協のない仕様に見えるが、ポジションが決まったシートに収まってしまえば快適だ。効果的にサポートしながら、腰やふとももが締め付けられることはなく、長距離移動でも不快にはならない。アルピーヌのほかのスポーツシートと同様、座面の高さと傾斜は手動調整可能。ただし、トルクスネジ式なので、自分で触れないならディーラーに頼むことになる。

ルームミラーがないのには驚くが、サーキット志向のモデルとは思えないくらい、他グレードと装備の違いはない。カーボンバケットシートは、長距離移動でも快適だ。
ルームミラーがないのには驚くが、サーキット志向のモデルとは思えないくらい、他グレードと装備の違いはない。カーボンバケットシートは、長距離移動でも快適だ。    JACK HARRISON

6点ハーネスは、ベルトが左右に分かれるような金具を備え、締める際にもたつかずに済む。シートレールのリリースバーを覆う赤いプラスティックのカバーもよく考えられていて、ベルトを締めた後でもシートの前後スライドがしやすい。

デジタルメーターとインフォテインメントディスプレイは、A110全車に共通のアイテムだ。ダッシュボードやドアトリムはアルカンターラで覆われ、金属ペダルと下部がアルミ剥き出しのセンタートンネルを備える。物入れは少なく、アクセスしづらいが、居住性は日常遣いに困らないものだ。

後方を確認しようとして、ルームミラーがないのに驚くが、キャビンの背後が完全に塞がれて窓がないのだから、それも当然だ。ありがたいことに、ドアミラーと良好なポジションのクオーターウインドウ越しの視界で、後方確認は事足りる。

ラゲッジスペースは、後方にヘルメットとバッグが収まるくらいのトランクがある。さらにフロントにも、浅いけれど広さのあるトランクが用意されている。大きなスーツケースを積むなら、助手席の足元くらいしか置き場はないが、ふたりで週末のドライブ旅行に行くくらいなら不足はない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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