メルセデス・ベンツGLCクーペが初のフルモデルチェンジ Sクラス譲りの最新技術を多数搭載へ

公開 : 2023.11.30 11:45  更新 : 2023.11.30 13:32

新型GLCクーペの足回りは?

サスペンション

GLC 220 d 4MATIC のサスペンションは、Cクラスで定評のあるフロントに4リンク式/リアにマルチリンク式を踏襲している。標準仕様には、優れた乗り心地/高い静粛性/俊敏なハンドリングを提供するアジリティ・コントロール・サスペンションが装着される。

さらに、オプションとして、エアマティック・サスペンションを用意している。このサスペンションは、伸び側と縮み側にそれぞれ可変ダンピングシステムを備えており、路面状況/運転状況/乗車人数や積載状況に応じて減衰力を常に最適に保つという。高速走行時「スポーツ」モード選択時には車高を約15mm下げることで、ハンドリングや空力特性も向上させる。

リア・アクスルステアリング

メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ

オプション装備として後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、さらに取り回しがしやすい車となった。

約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には最小回転半径が5.1mと小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。

約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大4.5度操舵することで、走行安定性を大きく高める。従来のメルセデス・ベンツの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させたという。

新型が搭載するその他機能は?

インテリジェントドライブ

メルセデス・ベンツ運転支援システム開発の次のステップとなる技術は、一般道での安全運転支援はもちろんのこと、特に高速道路での運転支援機能により、ドライバーにかかる負担を大きく軽減するシステムだという。新型GLCクーペには、Sクラスに搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システムが採用した。また、従来に加えて新しい機能が追加となったと話す。

・「アクティブステアリングアシスト」:ステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも車線認識に使用することで、多くのカーブに対応が可能で、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することができる。

メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ

・「アクティブエマージェンシーストップアシスト」:ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってからかなりの時間が経過していると判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる。

・「アクティブブレーキアシスト」:交差点や曲がり角での右左折の際に、対向/飛び出し/巻き込みなどにより、車、自転車及び歩行者と衝突する危険がある場合、ドライバーに警告したりブレーキを作動させる。

・「緊急回避補助システム」:車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシストする。また、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知する。

・「アクティブレーンキーピングアシスト」:走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に警告、および進路を修正する。

・「アクティブブラインドスポットアシスト」:車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に危険回避をサポートする。また、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能も作動する。

MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)

新型GLCクーペには、12.3インチのワイドディスプレイを採用するインストルメントクラスターと、11.9インチの縦型ディスプレイを採用するメディアディスプレイの2画面を標準装備している。また、2018年から順次各モデルに搭載し、熟成が進められてきた、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を採用した。

ボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動し、音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力/電話通話/音楽選択/メッセージ入力・読み上げ/気象情報)に加え、クライメートコントロール/各種ヒーター/照明など多様な機能にも対応する。

また、音声認識だけではなく、タッチスクリーンやステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることができる。

MBUX ARナビゲーション

車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示されるAR(拡張現実)ナビゲーションを標準装備した。

従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされますが、ARナビゲーションにより、直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるという。

生体認証(指紋/声)によるシートポジション等の設定

新型GLCクーペはドライバーの指紋/声のいずれかの生体認証もしくはPINコードによる認証が可能という。どちらかの認証により、シート/ステアリング/サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末、ナビゲーションのお気に入り設定などを統合して読み込むことができるという。

デジタル・ライト(ウルトラハイビーム付き)

左右のヘッドライトのデジタル・ライトは、それぞれ照明モジュールを備えている。このモジュールは100万個以上の微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定めるという。このため、片側のヘッドライトあたりの解像度は100万画素以上となるが、鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさだという。

この革新的なヘッドライトは、凹面レンズ「デジタル・ライト」のレタリング、ブルーのアクセントも装備され、デザイン性も高められた。ヘッドライト片側で100万以上のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて正確な配光が可能となったという。

これにより、ハイビームアシストが対向車や道路標識に光が当たらないように調整する場合の精度が、従来の84画素の光に比べて精度が大きく高まっており、ハイウェイモードやカントリーモード、フォグランプ強化機能などの照明が最大限効果的なものとなったとアナウンスされた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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