初試乗 ポルシェ・パナメーラGTS  真のスポーツカー、得たもの/失ったもの

公開 : 2018.11.05 10:10  更新 : 2018.11.17 14:18


どんな感じ?

正真正銘のスポーツカー

今回のGTSのレシピは、1995kgにも及ぶ車重が生む運動特性に、効果的なものというわけではないといえる。しかし、試乗の時間は限られていたが、サーキットではペダル操作に応じた粘り強いグリップを披露し、クルマのポテンシャルの片鱗は確かめられた。

GTSは四輪駆動だが、ポルシェは後輪駆動ベースの挙動となるようにチューニングしており、リアタイヤがスリップし始めてもそれは変わらない。スポーツモードでもESPは比較的すぐに介入するが、ヨーコントロール、旋回方向のシャシー・バランスは全般的に極めて優れているようだ。少なくともサーキットにおいては。

実際のところ、より高速なスーパーサルーンも、よりラグジュアリーなスーパーサルーンも存在はする。しかし、パナメーラほど優れたドライビングを体感させてくれるモデルは他にないといえ、GTSはそれがより顕著に感じ取られるグレードだとは思う。

ライバルの大型モデルは受け流してしまうような、微細なスロットル操作にもしっかり反応してくれる。さらに、リニアな設定の速度感応式電動パワーステアリング(EPAS)のおかげで、ピレリPゼロが限界を迎えるまで、正真正銘のスポーツカーのような、極めて正確なハンドリングを備えている。ボディコントロールに関しても、極めて効果的な装備だといえるだろう。

気になることといえば、デュアルクラッチATの、8速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)をパドル操作で変速した時に、わずかな遅れがある点。加えてターボの位置がバンクの内側となる、「ホットインサイドV」と呼ばれるレイアウトなため、熱による影響がないのかも心配ではある。

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