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北極圏の凍結路「アイスロード」 オイル・ブーム時から一転、絶滅も? AMG GLE43で走ってみた

2018.02.03

100字サマリー

グレッグ・ケーブルは防寒用下着を身に着け、メルセデス-AMG GLE43で北極圏へ。「アイスロード」は絶滅の危機に直面していました。

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

もくじ

「別次元。いや、別世界」
何もかも凍ってしまう
いざ、アイスロードを走る
アイスロードの将来
番外編 世界の「究極の」道

「別次元。いや、別世界」

インストゥルメント・パネルに設置されたデジタルの外気温計は-21℃を示しており、厳しい北西風が北極海沿岸に吹き付けて、命を脅かすほどの恐ろしい寒さをもたらしている。

しかし、いまいる場所はこれ以上ないほど快適だ。

メルセデス-AMG GLE43のフットウェルめがけて吐き出されるエアコンの暖かい風を受けながら、ヒーター付きレザーシートに高く腰掛け、1年のある期間だけ通行可能になるカナダ北部のイヌヴィックとトゥクトヤクトゥクを結ぶ唯一の道路を走っている。

このことを除けば、今から走る道は端的にいって別次元。いや、別世界といってもいいかもしれない。

春の終わりから、夏、そして初秋にかけて、このあたりには広大なリバーデルタが出現し、北米大陸で最も人里離れた場所のひとつでカヤックやボートでの冒険を楽しむひとびとを引き寄せる。

しかし、冬には川は分厚い氷で覆われて、まるで曲がりくねったスケートリンクのようになり、地元のひとびとが(ほかに適当な名前が無かったので)アイスロードと呼ぶようになった凍ったハイウェイを作りだすのだ。

TVのリアリティー番組のお陰で一般にも知られるようになったこの凍結路は、ツンドラの永久凍土層と北極海の氷結部分を通って、カナダの人里離れた北部一帯にある集落を繋ぐ役割を長く果たしてきた。そして、多国籍石油企業や、ダイアモンド採掘業者、それにカナダ軍に対する重要な輸送路でもあったのだ。

陸地にあるダンプスター・ハイウェイの延長部分はイヌヴィックの外れから始まり、毎年冬にマッケンジー川を覆う氷は伝統的に183kmの道を作り出した後、トゥクトヤクトゥクの町の入口で終わる。

出発準備が整うと、この身を切るような寒さがわれわれのアイスロードを行く旅がどのようなものになるかを早くも明らかにした。

 
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