【V8エンジンの大きな猫】ジャガーXKとXKR 英国版中古車ガイド 過給機に注意

公開 : 2020.06.06 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

XKRでは、スーパーチャージャー下のクーラントパイプが割れ、トランスミッション上にクーラントが漏れる場合がある。修理は安く済まない。スーパーチャージャーの異音は、ノーズコーン・ベアリングが原因の場合がある。走行距離が伸びると内部破損することもあり、交換するしかない。

5.0Lエンジンの場合、インジェクターの不良でエンジンを駄目にすることがある。こまめなメンテナンスを怠った見返りだ。

トランスミッション

ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)
ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)

ZF社製のトランスミッションは密封状態だが、気にかけるオーナーは12万8000kmほどで、ZF社製のフルードで交換する人もいる。

インプットシャフトのシールやデフまで、オイルが滲んでいないか確認する。

サスペンションとブレーキ、ホイール

摩耗したブッシュを、ウレタン製に交換するオーナーも多い。アダプティブダンパーや電子サイドブレーキの動作を確かめる。20インチのホイールは、舗装の剥がれた穴などに強く当てると変形する場合がある。タイヤも高価なので、状態は確かめたい。

ボディ

ボディやトランク、ドアの下やフロントフェンダー周りの塗装状態を確かめる。気泡が出ている場合、アルミが腐食している証拠。腐食を取り除き、再塗装が必要。ボンネットには、歩行者の傷害軽減機能が付いている。

インテリア

足元の水分に注意。ダッシュボード下のエアコンのドレインが詰まり、水が漏れることがある。修理にはダッシュボードを取り外す必要があり、楽ではない。2009年モデル以降はドレインの改良を受け、不具合は生じにくい。

専門家の意見を聞いてみる

クリス・ウェストン スワローズ社サービス・マネージャー

「ジャガーXKは素晴らしいクルマです。XK8からの大きな進化といえます。車内も広いです。身長が190cmくらいあっても、快適に座れます」

ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)
ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)

「本物のドライバーズカーとして、サスペンションも洗練されました。特に4.2Lの方は、信頼性がとても高いことも魅力です。そのため、XKの走行距離は伸びがちです」

「お客様の中にも、30万km前後を走っている方もいらっしゃいます。それでも毎日の足として乗ることができるのです。低走行距離のクルマでも、定期的に整備を受けている限り問題は出ないようです」

知っておくべきこと

XKRに搭載されているイートン社製スーパーチャージャーは堅牢だが、8万kmを過ぎた辺りから不具合が出るようだ。エンジンを切った時に出る振動や異音は、その徴候。ドライブベルトを外し、プーリーからの異音や転がり感で確認できる。専門ショップへ相談した方が良いだろう。

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