テスラ・スーパーチャージャーに対抗 BYDが英国で1500kW超急速充電器「フラッシュ」展開 他社より高出力&低価格?

公開 : 2026.06.12 07:05

BYDが英国で超急速充電器「フラッシュ」の展開を開始します。まずはデンツァZ9 GTなどの高級EVから対応し、充電にかかる料金は1kWあたりわずか50ペンス(約107円)に抑えられる可能性があります。

300基の「フラッシュ」充電器

BYDは来年末までに、英国に300基の1500kW超急速充電器を設置する計画だ。充電速度は競合他社より数倍速いが、料金は低く設定される可能性がある。

この充電器は「フラッシュ」と呼ばれるBYD独自の技術であり、テスラのスーパーチャージャー・ネットワークに対抗するものだ。2027年までに欧州全域に約3000基の設置が計画されていることから、カバー範囲においてはまもなくスーパーチャージャーと肩を並べるようになるだろう。

デンツァZ9 GT
デンツァZ9 GT

BYDによれば、この急速な展開(交通量の多い地域や高速道路を中心に)により、およそ50kmごとに1基のフラッシュ充電器が設置されることになるという。

なお、欧州では現在、約2万基のテスラ・スーパーチャージャーが稼働し、1500か所に分散配置されている。

BYDのフラッシュ充電器は最大出力1500kWと、テスラの最速モデルと比較して3倍の性能を誇る。ただし、欧州で標準的なCCS充電ポートを備えたすべてのEVに対応しているものの、最大出力を発揮できるのは2つの充電ポートを備えた特定のBYD車に限られる。その第1弾となるのが、9月に発売予定のシューティングブレーク『デンツァZ9 GT』だ。

SUVの『B5』やミニバン『D9』など、今後欧州市場に投入されるデンツァのラインナップも、BYDの新世代「ブレード」バッテリーを採用しているため、フラッシュ充電に対応する見込みだ。ただし、BYDの主流車種がいつ対応するかについては、まだ発表されていない。

EVバッテリーを9分で充電

BYDによると、フラッシュ充電器はデンツァZ9 GTのバッテリーをわずか5分で10%から70%まで充電でき、さらに4分で97%まで充電できるという。また、極度の低温環境(マイナス30度)下でも、追加でかかるのは3分だけだとされている。

BYDは英国で初めてデンツァを購入した顧客に対し、18か月間の無料フラッシュ充電を提供すると述べている。これは、テスラが初期のモデルS購入者に提供した無料スーパーチャージャーと同様のサービスだ。

デンツァZ9 GT
デンツァZ9 GT

フラッシュ充電器は、敷地内に設置されたバッテリーから電力を供給されるが、このバッテリー自体は夜間のオフピーク料金で充電される。そのため、競合他社よりも低い充電料金を実現しつつ、最大充電速度においては大きく凌駕する。

BYD UKの責任者であるボノ・ゲ氏はAUTOCARに対し、「理想的としては、1kWあたり50ペンス(約107円)未満を目指している」と語った。これが実現すれば、競合であるIonity、Gridserve、Instavoltなどの急速充電器を料金面で下回ることになる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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