他を寄せ付けない「王者的」世界観 メルセデス・ベンツGL(初代) UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.16 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

メルセデス・ベンツGLの、能力の幅広さに疑う余地はない。オンロードだけでなく、オフロードでも見事な走りを披露する。

ガソリンターボとディーゼルターボ、2種類のエンジンも優秀。豊潤な動力性能を選ぶか、不満ない走りと優れた燃費性能を選ぶか、チョイスが可能だ。(2012年4月2日)

メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)
メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ハーマン・カーン氏

「2011年式の350 CDIを購入してから、7年目になります。当初の走行距離は12万8000kmほどでしたが、今では20万kmほどへ伸びました。多彩な能力を備えた、プレミアムSUVですね」

メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)
メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)

「ただし不具合は少なくなく、修理の請求が高額になることも。自分は正規部品をディーラーで取り寄せ、独立系の専門ショップで整備してもらうことで、費用を抑えています」

「エアサスペンションのコンプレッサーとエアスプリングを、最近交換しました。走行距離と年式を考えれば、納得できる範囲でしょう。まだ数年は乗りたいと考えています。自分が望む通りの、見事なオールラウンダーだと思います」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

テールゲートは電動。制御モジュールの故障で開かなくなる。四隅の擦り傷だけでなく、オフロード走行での損傷がないか、下回りも観察したい。

エンジン

2008年式より以前の5.5L V8ガソリンターボでは、シリンダーヘッド後部のカムプラグからオイル漏れしやすい。V6ディーゼルターボの350 CDI ブルーエフィシェンシーでは、アドブルーの残量を確認したい。

メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)
メルセデス・ベンツGL(初代/2006〜2013年/英国仕様)

320 CDIでは、シールの劣化によるオイルクーラーからのオイル漏れや、温度センサーの不調などが起きがち。クランクケースのベンチレーション・システムが原因で、オイルがターボ内に流入することがある。

トランスミッションとブレーキ

定期的なフルードとフィルターの交換が、ATの寿命を伸ばすカギ。放置すると、異音や振動、フルード漏れを招くことも。センサーのエラーは、接触不良や腐食、汚れなどが原因になっている場合も。

ブレーキディスクとパッドの交換は、安くできない。ブレーキフルードは、2年毎の交換が望ましい。

サスペンションとステアリング

エアマチックと呼ばれるエアサスペンションは、不調が起きるとメーターパネルにエラーが表示される。コンプレッサーの故障、エアストラットの破損、エア漏れやバルブブロックの不調など、原因は多岐に及ぶ。

速度感応式パワーステアリングの動作を確かめたい。高速域でもステアリングホイールが重くならない場合は、ラックのソレノイド不調が考えられる。

インテリア

電子機器など、車載装備のすべてが正常に動くか確かめる。修理は安くない。パワーシートはスライドするだけでなく、電動で折り畳める。

パノラミック・サンルーフは、時間経過とともにシールが劣化し、水漏れしがち。電気系統へ侵入し、悪さする場合も。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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