世界で最も売れたクルマ EVとして初、120万台達成 「RAV4」超えたテスラ

公開 : 2024.01.26 18:05

・2023年の世界販売台数トップはテスラの「モデルY」。
・昨年首位のトヨタRAV4を抜き、120万台突破。
・大幅値引きが奏功し、欧州と中国で躍進。

値引きが効いて世界首位に

2023年に世界で最も売れたクルマはテスラモデルYで、120万台以上が販売され、EVとして初めてベストセラーの栄冠に輝いた。

2021年、2022年に世界1位だったトヨタRAV4は、販売台数が約6万台増の107万台となったにもかかわらず2位に後退。同じくトヨタのカローラは101万台で3位となった。

テスラ・モデルY
テスラ・モデルY

「今日、地球上で最も売れているクルマはEVです」とテスラは第4四半期の決算説明会で述べた。

モデルYは、世界2大EV市場である欧州と中国で販売台数を伸ばしたが、これは昨年1月に全市場で実施した約150万円の値下げのおかげでもある。

調査会社ジェイトー・ダイナミクスの発表によると、モデルYの価格はドイツのEVの平均価格より18%、米国では23%安いという。

同社のグローバルアナリスト、フェリペ・ムノス氏は「テスラの信頼性と競争力のあるEVメーカーとしての評判と相まって、値下げが需要に拍車をかけました。その結果、EVの購入を検討している多くの消費者にとって、テスラが念頭にあるのです」と語った。

2023年、中国では45万6000台以上(前年比45%増)、欧州では25万5000台以上が販売された。

テスラとしては、販売全体の3分の2がモデルYということになる。

ムノス氏は、この世界的な販売台数の伸びは「前例がない」とし、「テスラがこの短期間にモデルYで達成できたことは、まさに驚くべきことです」と語った。

需要に対応するため、テスラはモデルY専用のベルリン工場の生産台数を37万5000台に拡大した。上海工場でも増加し、100万台近いモデルYとモデル3が出荷された。

テスラは手を緩めるつもりはないが、紅海で続く輸送問題(フーシ派武装勢力の船舶襲撃に起因)により、1月29日から2月11日までの間、ドイツでの「ほとんど」の生産作業を中断せざるを得なくなった。来週から欧州での生産に大きな影響が出る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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