ホンダ 全く新しい電動スポーツカーを開発中 EV版「NSX」登場か

公開 : 2024.01.30 06:05

・ホンダが次期NSXを開発中? 電動スポーツカー誕生か。
・これまでと「まったく異なるテイスト」のモデルに。
・次世代EVラインナップのフラッグシップとして期待。

次世代EV群の「象徴」として

2022年に販売終了したホンダスポーツカーNSX」は、EV(電気自動車)として数年以内に復活する可能性がある。

ホンダの三部敏宏CEOは、1月初旬の次世代EVラインナップ「0シリーズ」の発表後、すでに「EV時代のスポーツカーを研究・開発している」ことを明らかにした。実現すれば同社初の量産型電動スポーツカーとなる。

ホンダはこれまでとまったく異なる電動スポーツカーを開発中だという。(編集部作成予想イメージCG)
ホンダはこれまでとまったく異なる電動スポーツカーを開発中だという。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

三部CEOは詳細については明言を避けたが、新型車の開発作業は「着実に進んでいる」と語った。

ホンダはEV開発を根本から見直し、室内空間の最大化、バッテリーの軽量化、安全性と効率性の向上を図った0シリーズを2026年からグローバル展開する。三部CEOの言及したスポーツカーは、その象徴的なモデルとなるだろう。

10日のCESで公開された0シリーズのコンセプトモデルを踏襲し、低車高でアグレッシブなシルエットを採用する見込みだ。

バッテリーは現在のものよりも大幅に小型化され、モーターやインバーター、ギアボックスを統合したeアクスルで駆動する。

ホンダがこれまでに生産したどのスポーツカーとも「まったく異なるテイストを持つ」とされ、独自のキャラクターと走る楽しさを追求しているという。研究開発の一環として、現在の電動スポーツカー市場を「よく分析している」と三部CEOは語ったが、具体的な競合車の名は挙げなかった。

不変のスポーツマインド、実現なるか

日本メーカーは近年、スポーツモデルに強い関心を寄せ、研究開発に力を入れている。トヨタの豊田章男会長も昨年、電動スポーツカーのプロトタイプのテスト走行を始めていることを明かした。詳細は語らなかったが、「この種のクルマでは、どんなパワートレインを使っていても、運転が楽しくなければならない」と意気込みを見せた。

豊田会長がトヨタのスポーツカー開発を熱心に後押ししているように、三部CEOもまたホンダの電動スポーツカー開発の原動力となっている。「量産や時期については未定ですが、個人的には実現させたいと思っています」と彼は言う。

1月10日公開の「サルーン(SALOON)」コンセプト
1月10日公開の「サルーン(SALOON)」コンセプト    ホンダ

ホンダの研究開発部門のトップだった2011年当時、NSXを電動車として復活させる計画を示唆した三部氏は、当時本誌の取材で「EVやハイブリッド車は、経済的であると同時に楽しいものになる」と語っていた。

最近では、新型プレリュード・コンセプトの発表の際にも「ホンダの不変のスポーツマインド」を強調している。

注目すべきは、ホンダの北米市場向け高級車ブランドであるアキュラが、NSXのミドエンジン・レイアウトを模したアグレッシブなシルエットの電動スーパーカー・コンセプトを予告していることだ。しかし、正式発表の日取りは明らかではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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