メルセデス・ベンツEクラス 詳細データテスト ディーゼルセダン健在の証明 快適性は改善の余地あり

公開 : 2024.02.17 20:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

乗り心地には残念なところもあるが、おおむね快適なクルマではある。もしもSUVのドライビングポジションがお好みでなければ、とりわけそう感じるだろう。5シリーズほど低く座らせるわけではないが、過剰なスポーティ志向ではないセダンとしては適当だ。

操縦系は、それぞれの相対的な位置も含めて正しくレイアウトされていると思えるもので、ステアリングホイールとシートの調整幅は広い。シート自体は、パッドは硬めだがサポート性には優れている。

セダンとして標準的なドライビングポジションは、SUVの運転姿勢に馴染めないドライバーにはしっくりくるものだろう。静粛性は改善の余地がある。
セダンとして標準的なドライビングポジションは、SUVの運転姿勢に馴染めないドライバーにはしっくりくるものだろう。静粛性は改善の余地がある。    JACK HARRISON

メルセデスは空力における優位性や、約500ものマイクで不快なキャビンノイズを検出したエンジニアたちの仕事ぶりを謳うが、静粛性において新たなスタンダードを打ち立てるまでには至らなかった。風切り音はかなり抑え込んだが、高速道路の速度域ではロードノイズが明らかに気になる。113km/hでの室内騒音は67dBAで、2022年に計測したアウディA6より2dBA大きかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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