VW「需要まだなかった」 EVのキャンピングカー、導入延期 ID.Buzzカリフォルニアは2020年代後半へ

公開 : 2024.03.26 18:05

フォルクスワーゲンID.Buzzのキャンピングカー「カリフォルニア」の導入は2020年後半になりそうだ。技術的な問題ではなく、「需要がない」ためだとしている。

EVキャンピングカーの需要はまだ小さい

フォルクスワーゲンは、電動ミニバンのID.Buzz(IDバズ)にキャンピングカー仕様の「カリフォルニア」を導入予定だが、実際に発売されるのは2020年代後半になるようだ。同社幹部が示唆した。

一部の欧州メディアでは、車両重量の関係上、運転免許に制限がかかるために量産化が遅れているという報道もあった。フォルクスワーゲンは遅れを認めたが、「重すぎるため」という報道内容については否定している。

ID.Buzzカリフォルニアをお目にかかれるのはまだ先のようだ。(編集部作成予想イメージCG)
ID.Buzzカリフォルニアをお目にかかれるのはまだ先のようだ。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

ID.Buzzカリフォルニアの導入延期の理由は、EV需要の伸び悩みである。

商用車部門のフォルクスワーゲン・コマーシャル・ビークルズ(VWCV)の年次記者会見で、販売&マーケティング責任者のラース・クラウス氏は、車両重量などの技術的な課題も「すべての開発プログラムに存在する」としながらも、「プロジェクトの停止とは関係ない」と述べた。

「当社は常にマーケットを起点としています。マーケットの数字を見たり、お客様をよく見たりしていますが、わたし達の観点からは、このようなタイプのクルマ、つまりBEVのキャンピングカーに対するニーズはまだないことがわかりました」

「需要は2020年代後半に高まると予想しており、BEVの ID.Buzzカリフォルニアで、この時期に焦点を当てているのはそのためです」

一方、フォルクスワーゲン・マルチバンをベースとするPHEVの新型カリフォルニアは、年内に欧州で発売される予定だ。

VWCVのカーステン・イントラCEOは、キャンピングカー市場における「電動化への一歩」としてPHEVを導入すると述べた。

「今年発売される新型カリフォルニア(PHEV)では、騒音なしでキャンプ場に行き、エンジンを使うことなく周辺を走り回ることができます。キャンピングカー市場に向けた非常に重要な架け橋となるのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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