牽引に最適な電気自動車 大トルクでトレーラーを引っ張るEV 10選 デメリットも

公開 : 2024.09.14 18:05

キャンピングトレーラーなどの牽引に適している電気自動車(EV)トップ10を紹介。瞬間トルクを活かして重量物を容易に運搬できるが、バッテリーの消耗が激しいというデメリットがある。

トレーラーの牽引に適したEVトップ10

電気自動車(EV)が完璧に適しているアクティビティがあるとすれば、それは「牽引」だ。瞬時にきめ細かく制御されたトルクを発揮する強力なモーターを搭載したバッテリー駆動EVは、重い荷物を運ぶために作られたようなものだ。

しかし、紙の上では明確なことも、実際には曖昧でわかりづらいことが多い。EVは理論的にはヘビー級のキャンピングトレーラーでも引っ張ることができるが、多くのメーカーはそれを推奨していない。

キャンピングトレーラーなど重量物の牽引に最適なEVを紹介する。
キャンピングトレーラーなど重量物の牽引に最適なEVを紹介する。

その大きな理由の1つが、航続距離だ。牽引には膨大なエネルギーが必要で、多くの場合、実走行での航続距離を半分以下にまで縮めてしまう。それから、重量の問題もある。EVの駆動用バッテリーや乗員、トレーラーなどをすべて足した総重量は大変なものになる。

しかし、時代は変わり、技術も向上した。多くのEVがトウバー(牽引フック)を装着できるように設計され、通常は大排気量エンジン車でしか牽引できないような荷物も引っ張れるようになった。優れたガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車(最高3500kgまで牽引可能)に匹敵するまでにはまだ少し時間がかかるが、牽引したい人、EVに乗り換えたい人には多くの選択肢がある。

(翻訳者注:各車両のスペックや価格は英国仕様に準じます)

1. キアEV9

長所:牽引時でもスムーズな走り。6~7人乗り。スペースの有効活用。
短所:路上で巨大に感じる。車庫入れがしにくい。インテリアの素材感が価格に見合わない。
最大牽引重量:2500kg
WLTP航続距離:503km~561km

英国編集部が気に入ったクルマは、たまたまEVだった。また、物を引っ張る能力も優れている。

1. キアEV9
1. キアEV9

最大牽引重量はEVとしては非常に大きい。しかし、EV9の魅力は、牽引時の走行性能だ。AUTOCARの姉妹誌『What Car』誌が毎年行っている牽引テストでは、時速30-60マイル(48-97km/h)加速で5.5秒という驚異的なタイムで審査員を驚かせた。審査員はまた速道路での安定性にも感銘を受けた。

EV9は、その牽引能力だけでなく、室内空間の広さからファミリーカーとしても優れている。6人乗りと7人乗りの仕様があり、どちらを選んでも後部座席には大人が余裕をもって座れる。

2. BMW iX

長所:卓越した洗練性。広さと多用途性。豪華なインテリア。
短所:賛否両論あるエクステリアデザイン。回生ブレーキは改善の余地あり。キャンプ場によっては派手すぎる?
最大牽引重量:2500kg
WLTP航続距離:413~614km

BMWがEVのフラッグシップモデルで成功を収めたことは否定できない。挑戦的なスタイルのiXは、特に上位の「xドライブ50」で競合の多くを打ち負かすような高い総合力を誇っている。

2. BMW iX
2. BMW iX

最高出力523ps、最大トルク78kg-mと十分すぎるパワーを備えているだけでなく、80.7kWのバッテリーを搭載し、一回の充電で610km以上走行できるとされている。

ここで注目したいのは2500kgという最大牽引重量で、これはヘビー級の内燃機関モデルに匹敵する。

さらに重要なのは、最高出力325psの「xドライブ40」でも同じ牽引能力が得られることだ。また、どちらもツインモーターの四輪駆動システムを採用しており、滑りやすいフィールドからトレーラーを引っ張り出す際にも優れたトラクションを発揮する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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