レンジローバー・スポーツ 詳細データテスト 増した円熟味 影を潜めたダイレクト感とシャープな走り

公開 : 2024.09.07 20:25

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

周囲にショートカットボタンが一切ないので、レンジローバー・スポーツSVのPivi Proインフォテインメントシステムに用いられる13.1インチのタッチ画面は広い範囲を機能に割いている。

その働きは上々。使いやすい操作バーや常時表示のスライダー空調コントロールが、真っ当なユーザビリティをもたらしている。それでも、ヒーター操作などは実体式のほうが使いやすく、運転中の集中力が削がれることもないと、われわれは考える。

周囲にショートカットボタンを配置しないが、ディスプレイの操作部は扱いやすい。それでも、空調の温度調整などは実体パネルのほうが使いやすい。
周囲にショートカットボタンを配置しないが、ディスプレイの操作部は扱いやすい。それでも、空調の温度調整などは実体パネルのほうが使いやすい。    MAX EDLESTON

標準装備される、1430Wで29スピーカーのメリディアン・シグネーチャー・オーディオシステムはみごとなサウンド。ボディ&ソウルシート、略してBASSを作動させなくてもだ。BASSは内蔵した2つのスピーカーと4つのトランスデューサーにより、バイブレーションを増加させる。

反響のプログラムには、心拍数を上げるものと下げるものが用意されているが、単に聴いている音楽に合わせてビートを刻むこともできる。だが、このシートは目新しいだけに感じられるところもある。ほとんどのテスターはあまり長く試さないうちに切ってしまい、健康状態に大きな違いがあったという意見は皆無だった。

燈火類

デジタルLEDヘッドライトは標準装備で、イメージプロジェクション機能を備える。ハイビームは明るく、自動減光は素早いが、市街地の狭い道などでは、対向車が眩惑しそうなことも少なくない。

ステアリングとペダル

ペダル配置はバッチリ。幅広いステアリングコラムの調整範囲と相まって、快適性とサポート性に優れるドライビングポジションをもたらしてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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