積極的に「運転席」へ座りたい! トヨタ・プリウスへ英国市場 一気にスタイリッシュに

公開 : 2024.09.23 19:05

5代目トヨタ・プリウスのプラグインHVが英国へ上陸 スタイリッシュでも荷室は狭め 223psへ大幅に増強 パワートレインの洗練度は高い 運転が楽しく乗り心地も良好 英編集部が評価

プリウスのプラグインHVが英国へ

5代目トヨタ・プリウスが発売されたのは2023年。だが当初は、英国での販売予定はないと告げられていた。4代目からの乗り換えを考えていたユーザーは、モデルチェンジしたC-HRへシフト。トヨタ・カローラのステーションワゴン、ツーリングにも流れた。

ちなみに、現行の欧州仕様のカローラはグレートブリテン島で生産されている。英国トヨタにとっては、悪くない状況といえたようではある。

トヨタ・プリウス・プラグイン・デザイン(英国仕様)
トヨタ・プリウス・プラグイン・デザイン(英国仕様)

ところが、乗用車の電動化をリードし、バッテリーEVに対する抵抗を薄めてきた立役者が帰ってきた。少なくない英国人が、新しいプリウスの提供を望んでいたらしい。

ただし、英国仕様はプラグイン・ハイブリッドのみ。一部の市場とは異なり、トヨタ独自のシリーズパラレル式ハイブリッドは、販売されない。

1997年の登場からしばらくの間は、環境への優しさを重視していると表現したい人が乗るクルマの象徴が、プリウスだった。それから4世代を経て、低く滑らかなサイドプロポーションを持つ、クーペとトヨタが呼ぶモデルへ進化を遂げている。

一気にスタイリッシュに 荷室は狭め

果たして、一気にスタイリッシュになったプリウス。運転を好むドライバーが、本当に選びたいと思えるクルマになったのだろうか。25年前、こんな疑問を筆者が抱くことになるとは、想像もしていなかった・・。

新型プリウスの寸法は、全長が4599mm、全幅は1782mm、全高が1430mm。全長は先代より46mm短くなり、ホイールベースは50mm伸びている。ルーフラインの頂点は後方へずらされ、空力特性を最適化するのと同時に、後席側の空間も確保されている。

トヨタ・プリウス・プラグイン・デザイン(英国仕様)
トヨタ・プリウス・プラグイン・デザイン(英国仕様)

インテリアには、ボディほどの驚きはない。とはいえ、このクラスの身近なサルーンとして、疑問を感じる事実ではないだろう。

ダッシュボード上には、エアコン用に実際に押せるハードボタンが多数残され、大きなインフォテインメント用タッチモニターは位置が高めで見やすい。グラフィックも綺麗だと思う。

メーター用モニターはフロントガラスの付け根付近へ設置され、運転中でも確認しやすい。ヘッドアップ・ディスプレイへ近いような、機能を果たせている。それにより、コストも抑えられるはず。

後席側の空間は、上下方向にやや限定的ながら、膝前にはたっぷりの余裕がある。荷室は284Lと狭め。普段から荷物を運ぶことが多いなら、カローラ・ツーリングを考えた方が良さそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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