HVを当たり前にした偉業 トヨタ・プリウス UK上陸25周年(1) 今でも新しい初代の走り

公開 : 2025.09.05 19:05

地球上で最も支持を集めたハイブリッド、プリウス 先端技術を意識させる車内 運転しやすく快適 秀でた信頼性と燃費 再評価されるべき偉業 英国上陸25年を記念し、UK編集部が初代と比較

地球上で最も支持を集めたハイブリッドカー

ロンドンのタクシーといえば、クラシカルなブラックキャブが有名だろう。だが新しい民間サービス、ウーバーを頼むと、トヨタプリウスがやって来ることが多い。

ガソリンエンジンと電気モーターを融合させたサルーンが、英国で発売されて四半世紀が過ぎようとしている。驚くほど燃費が良く、信じられないほど壊れないプリウスは、当たり前の存在になった。

ダークブルーの初代トヨタ・プリウスと、イエローの5代目
ダークブルーの初代トヨタ・プリウスと、イエローの5代目    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

2000年にアメリカで発売された時、現地の典型的なクルマ好きは「パイアス(偽善的)」と呼んで揶揄した。反面、レオナルド・ディカプリオをはじめとするセレブが乗る様子を見て、同調する人も多く生まれた。

プリウスは、これまでに600万台以上が売れている。地球上で最も支持を集めた、ハイブリッドカーだと呼んで良い。洗練度が極めて高いが故に、秀でた技術力は見過ごされがち。英国上陸25周年を記念して、今回は初代と5代目の乗り比べをしてみよう。

初代から変わりないハイブリッドの構成

プリウスが日本で発売されたのは、1997年。環境問題に対する意識の高まりを受け、その頃の自動車メーカーは高効率なモデル開発へ積極的に取り組み始めていた。欧州の大手は、空気抵抗の小さいボディにダウンサイジングターボを載せる手段を選んだ。

他方、トヨタはエンジンをモーターで補助するアイデアへ着目。ホンダも、コンセプトカーのようなボディに先進的なハイブリッド・パワートレインを実装した、インサイトを1999年に発売している。

ダークブルーの初代トヨタ・プリウスと、イエローの5代目
ダークブルーの初代トヨタ・プリウスと、イエローの5代目    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

プリウスは、初めから踏み込んだ内容にあった。4ドアサルーンで、見た目はインサイトほど前衛的ではなかったが、その内側には高度なトヨタ式ハイブリッドが隠されていた。

主に発電用と駆動用、2基の電気モーターが、自然吸気の4気筒エンジンと組み合わされていることは、初代でも最新世代でも変わりない。e-CVTと略されることが多い、巧妙なトランスミッションも。

最先端技術を強く意識させるインテリア

エンジンは高負荷時に走行を担うものの、休止していたり、発電している時間も長い。駆動用モーターも、必要に応じて発電を担う。滑らかに走るには、トルク特性の異なる各ユニットを操り、気まぐれな交通やドライバーに合わせて調和させる必要がある。

それを任されているのが、コンピューター制御の遊星ギアで構成される無段変速機だ。結果としてトヨタのハイブリッドは、シリーズ式とパラレル式の中間のようなシステムになっている。少し難しい話になったが。

トヨタ・プリウス(初代/1997〜2003年/英国仕様)
トヨタ・プリウス(初代/1997〜2003年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

こんな複雑なメカニズムの存在を、初代も見た目からは感じさせない。近未来を匂わせた、新鮮なスタイリングではあるとしても。

しかし運転席へ腰を下ろすと、ガソリンと電気の融合という、最先端技術を強く意識させる。プラスティックが多い内装はトヨタらしいが、ダッシュボード上には液晶のメーターパネルと、小さいものの、モニターがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

トヨタ・プリウス UK上陸25周年の前後関係

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