ランボルギーニ・レヴエルト 詳細データテスト V12存続に拍手 驚異の速さ 歴代最高ハンドリング

公開 : 2024.12.14 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

レヴエルトは、アヴェンタドールが速さもサイズも発展したというより、ウラカン・テクニカを拡大したようなフィール。それこそ、ヴェイロンを打ち負かすようなパフォーマンス以上に重要なポイントだ。

これまでモンスター級のランボルギーニで、このレベルのステアリングの精度やダンピングのみごとさ、前後アクスルのハーモニーを見せるものはなかった。アヴェンタドールに乗ったことがあれば、レヴエルトが公道上で見せるグリップや従順さに衝撃を覚えるはずだ。

これまでのV12ランボにはなかったほど、ステアリングは高精度でシャシー性能も高い。運転中にもっとも注意すべきは、気づかないうちにスピードが出過ぎないようにすることだ。
これまでのV12ランボにはなかったほど、ステアリングは高精度でシャシー性能も高い。運転中にもっとも注意すべきは、気づかないうちにスピードが出過ぎないようにすることだ。    JACK HARRISON

大きな変化のひとつは、アクティブ式ステアリングレシオを廃したこと。ややクイックなギア比で固定され、後輪操舵で状況に応じてより鋭い方向転換や高いスタビリティを実現する。チューニングが下手だと不自然な曲がり方をする低速コーナーでも、それと気づかせるようなシステムではない。

シャシー剛性も向上し、きわめて細いリムのステアリングホイールを右へ左へと切っても、前後の一体感を感じさせる助けとなっている。ダンパーとスプリングを一般的な配置としたことが、タイヤを取られる傾向をだいたい消しているようにも思える。ダンピングも明らかに上質さをましたが、ボディの動きは小さくなり、安定性を増して底突きが減った。

V12ランボルギーニは基本的にモダナイズされてきて、幅が気になるとはいえ、英国の道で運転へ本格的に集中できるようになった。そこから得られる満足感も大きい。マクラーレン750SフェラーリSF90ストラダーレほどアスリート感があるわけではないが、B級道路を駆け抜けるのも巧みで順応性を見せる。

アヴェンタドールより後輪駆動的に感じられることが多く、湿った路面でも心から楽しめる。スロットルを踏み込んで進行方向を調整して、3速を使う速めのコーナーを抜けていける。古いランボルギーニでそれをやるのは、想像するのも恐ろしい。

突き詰めると、レヴエルトのシャシーは先に挙げたライバルたちほどの操縦性を備えているとは言えないが、期待していたよりは近いレベルにある。ワンダフルなパワートレインを考慮すると、十分すぎるほどだ。自信を持ってV12を載せられるくらい、信頼性とまともなコミュニケーションをもたらしてくれる。それ以上に得られるものは、ボーナスと言っていい。

適切なタイヤ選びは必要だ。われわれとしては、英国で何台か乗ってみて、標準仕様の前20インチ・後21インチのセットをおすすめしたい。インチアップするとランフラット仕様となり、乗り心地に尖ったところが出てしまう。同じドライビングフィールも得られない。

全体的に、乗り心地は悪くない。いつでも、どのモードでも、ダイヤル操作でダンパーをもっともソフトなセッティングにすることができるが、必ずしもそうする必要に迫られるわけではない。グリップに関して言えば、このクルマのシャシーはどんな場合でもみごとだ。

忘れてはいけないのが、常に速度計に気を配ること。どんな道でも、レヴエルトの速さは並はずれている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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