ソフトウエア・エラー?でバッテリー交換 アルファ・ロメオ・ジュリアQV 長期テスト(2)

公開 : 2025.01.25 09:45

500馬力超えのイタリアン・スーパーサルーン、ジュリアQV フェラーリのV8と関係が深いV6エンジン 値段に相応しい体験か? 普段使いとの適合性は? 英編集部が長期テストで魅力を深掘り

積算1万4495km 期待のエグゾーストノートへ

長期テストアルファ・ロメオジュリア・クアドリフォリオには、オプションのアクラポビッチ社製マフラーは備わらない。フェラーリと関係が深いV6エンジンを積むが、期待したほど聴きごたえのあるエグゾーストノートは奏でない。

3500rpmまで引っ張れば、マフラー内のバルブが完全に開き、響きは良くなる。レース・モードへ切り替えれば、常時開いたままになるのだが、スタビリティ・コントロールもオフになってしまう様子。もう少し設定を確認してみたい。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

積算1万5033km 数日前から様子が怪しかった

21世紀において、自動車メーカーが有する古いステレオタイプに、囚われるべきではないだろう。とはいえ、イタリア車のジュリア・クアドリフォリオは、電気的な不調に陥ってしまった。

先日、グレートブリテン島西部のウェールズ州を走っている時から、様子は怪しかった。聞きたくないような警告音が、素晴らしい一般道を走っているさなかに鳴り、調子が良くないことを知らせてくれた。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

モニターへ目線を降ろすと、「チェック・エアバッグ」「SOSコール・エラー」といった表示が、次々に表示されていた。アレッ?と考えを巡らせているうちに、警告は何事もなかったように消えてしまい、自分はそのまま忘れていたのだった。

ソフトウエアのエラーでバッテリー交換

ロンドンへ戻った筆者は、しばしの休暇へ。ジュリア・クアドリフォリオの鍵は、同僚のジャック・ウォリックへ約束通り貸した。彼も向かった先で同じ警告が表示されたと、後日教えてくれた。

ウォリックから更に鍵を借りた、同僚のアーロン・マッケイが乗る頃には、症状は深刻になっていた。祖父の誕生日を祝うため、彼もウェールズ州へ向かう必要があった。快適で高速なクルマが必要ということで、ジュリアが好適だと考えたらしい。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

実際、高速道路は快調だったとか。ところが、一般道を進み始めると不調に。同様の警告灯と警告音が、実家へ到着するまで繰り返し続いたそうだ。

翌日の日曜日には、この症状を処理し続けたためか、バッテリーが上がっていたとのこと。地元の整備士へ頼み、ボンネットを開いてプラス端子を見つけ、フォード・トランジットからジャンプスタート。バッテリー交換で帰路へついたという。

セーブモードのまま、馬力は大幅に制限されつつ、困難を脱出。ディーラーでエラーがクリアされ、今のところ再発はしていない。

ジュリア・クアドリフォリオは、ウェールズ州がお気に召さないのかも。ラグビー国際試合のシックス・ネイションズで、ウェールズ・チームがイタリアへ負けたことを、強調する狙いでもあったのだろうか。

まあ、冗談は抜きにして、ソフトウエアのエラーが運悪く顔を出してしまった。イタリア車だから?と勘ぐるのは、妥当な考えではないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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