歴代トップの面白さ! 三菱ランサー・エボリューション VI 究極といえるTME UK中古車ガイド
公開 : 2025.01.24 19:05
歴代のランエボで、英国の評価が特に高いVI 動力性能の印象を特別にするラリーでの活躍 物理の法則を無視した旋回 快適性も維持した高性能サルーン 英編集部が魅力を振り返る
もくじ
ー動力性能の印象を特別にするラリーでの活躍
ー物理の法則を無視した旋回 快適性も維持
ー究極といえるTME 価格は上昇傾向
ー新車時代のAUTOCARの評価は?
ー専門家の意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー知っておくべきこと
ー英国ではいくら払うべき?
動力性能の印象を特別にするラリーでの活躍
1992年の初代「エボI」から、2015年のファイナルエディションまで続いた、三菱ランサー・エボリューション・シリーズ。英国で歴代ベストだとみなされているのが、1999年に登場した6代目、VIだ。公道との相性が非常に高いことが、その理由にある。
単に高速なサルーンではない。世界ラリー選手権(WRC)で活躍してきた伝説が、動力性能の印象を特別なものにしている。希少性も低くない。

この時代のWRCマシンの特徴といえたのが、一般市場で販売されたモデルとの関係性の深さ。ランエボVIは、トミ・マキネンが連勝を掴んだグループA仕様のワークスマシンと、基本はほぼ同じといって良かった。
先進的な四輪駆動システムに、ターボチャージャーで加給される堅牢な2.0L 4気筒エンジン、アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)と呼ばれる電子制御技術を中心に、ドライブトレインは構成されている。この洗練度は極めて高い。
オーバーステアとアンダーステアを巧みに抑制したのが、四輪駆動システムと同調して機能するAYC。車両各部に実装されたセンサーの情報をもとに、驚くほどのコーナリングを実現している。その能力は、現在の一般道でも遺憾なく発揮できる。
加えて、1999年当時のランエボVIの英国価格は、3万1000ポンドほど。驚異的な性能を考えれば、破格の安さといえた。
物理の法則を無視した旋回 快適性も維持
「カーブへ侵入すると、路面へ吸い付いたように旋回します。自動車というより、まるで戦闘機といった印象。物理の法則を無視しているといってもいいでしょう」。初期のランエボへ試乗したAUTOCARは、その走りへ酷く驚かされた。
ただし、ステアリングの反応は少し過剰気味。手のひらへ伝わる感覚が薄く、クラス最高と呼べる評価までは得ていない。

最高出力は280psで、0-100km/h加速は4.4秒。0-161km/h加速も11.2秒でこなした。四輪駆動システムの強烈なトラクションで、遥かに高価だった当時のフェラーリ550を凌駕するダッシュ力を得ていた。
もちろん、ランサーだから快適なサルーンでもある。エアコンとパワーウインドウは標準で、座り心地の良いレカロシートが組まれている。
現在の英国では、3万ポンド(約585万円)を用意すれば、歴代のオーナーによってチューニングされたランエボVIを購入できる。とはいえ予算が許す限り、純正状態へ近い車両を探したいところ。