歴代トップの面白さ! 三菱ランサー・エボリューション VI 究極といえるTME UK中古車ガイド
公開 : 2025.01.24 19:05
究極といえるTME 価格は上昇傾向
ランエボVIで究極といえるのが、トミ・マキネン・エディション(TME)。4年連続でドライバーズ・チャンピオンを獲得したフィンランド人ラリードライバー、トミ・マキネン氏の功績を記念した仕様だ。
エンジンには、新開発のチタン製ターボチャージャーを採用。エグゾーストやフロントバンパー、ヘッドライト、クイックなステアリングラック、ターマック重視のサスペンション、17インチのエンケイ社製アルミホイールなどは、TMEの専用品だった。

レッドの塗装にブラックのストライプが、常勝のラリーマシンを強烈に想起させた。英国へ輸入されたのは限定で250台。希少性から、現在はかなりの高値で取引されている。AUTOCARでは、このTMEをクラスベストだと称賛している。
登場から25年が過ぎたランエボVI。ネオクラシックとなり、価格は上昇傾向にある。裕福なマニアの手もとへ渡る前に、ラリードライバー気分を味わってみてはいかがだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は?
三菱ランサー・エボリューション VIをヒトコトで表現することは難しくない。英国で販売された中で、最もエキサイティングな1台だからだ。
郊外の一般道で、驚異的なスピードを叶えるだけではない。実用性は高く、能力の幅も極めて広い。(1999年3月24日)

専門家の意見を聞いてみる
モーガン・ギブソン氏:トルクGT社
「ランエボVIは、標準のままならかなり信頼性は高いといえます。ただし、AYCの稼働状態とリアブッシュ類の劣化、ブレーキの摩耗などには注意したいですね」

「日本から並行輸入された車両は、走行距離が短め。シャシーの状態は、良い例が多いです。今後の価値に関しては一概にいえませんが、TMEは間違いなく買いだと思います。既に高値で売られているとしても」
「メンテナンス用の部品は、今のところ入手は難しくありません。サスペンションは、アップグレードの選択肢がふんだんにありますよ」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
これまでの整備履歴を確かめる。全合成のエンジンオイルは7200km毎、AYCフルードは1万4400km毎の交換が、英国仕様では指定されている。点火プラグとタイミングベルトは、7万2000km毎での交換が望ましい。
エンジン始動直後に排気ガスが白く煙るのは、特に問題ない。灰色や水色に見える場合は、ターボチャージャーやシリンダーに不調を抱えている可能性が高い。冷間時から試乗して確かめたい。

エンジンが冷えた状態で聞こえるカチカチという金属音は、温まると消えるはず。ターボ・ウェイストゲートの調子や、ラジエター・クーラントタンクの漏れもチェックポイント。
トランスミッション
走行時に異音が聞こえる場合は、インプットシャフトやトランスファーボックスの劣化を疑う。試乗して、すべてのギアを滑らかに選べるか確かめたい。シフトレバーが引っかかるようなら、ギアの回転数を調整するシンクロメッシュの不調だろう。
標準のクラッチは減りがち。7万km使えれば良いようだ。
サスペンション
サスペンションアームやブッシュ、スプリングは消耗品。路面の凹凸を超えて、不自然な衝撃が生じないか確かめたい。
インテリア
レカロシートのサイドボルスター部分は擦れがち。状態を観察したい。
ボディ
日本仕様のランエボVIは、アンダーコートが施されていないため、下回りが錆びやすい。予め状態を観察し、購入後にはアンダーコートの処理を考えたい。