アウトバック、エグザンティア、ベルサイユ… 車名が地名になっているクルマ 26選(後編) 「M」から「Z」まで

公開 : 2025.01.18 18:25

W:クライスラー・ウィンブルドン

クライスラーはロンドン西部のキュー地区に工場を購入し、そこで米国およびカナダからの輸入車を現地向けに仕上げる作業を行っていた。1930年代には、一部のモデルがキュー地区に近い町の名に改名され、クロイドン、キングストン、モートレイク、そしてウィンブルドン(Wimbledon)などが誕生した。ウィンブルドンは、プリムスP6のバッジエンジニアリング車である。

W:クライスラー・ウィンブルドン
W:クライスラー・ウィンブルドン

X:シトロエンエグザンティア

最近、多くのクルマに「X」という字が使われているが、実際の地理的な場所を示すのではなく、クロスオーバー車を意味するものであることが多い。そこで、今回は1997年から2001年まで販売されていたシトロエンの大型セダン、エグザンティア(Xantia)を取り上げることにしよう。

この名称は、古代リュキアの都市クサントス(Xanthos)に由来し、ギリシャ神話では「黄金」を意味する。クサントスは紀元前8世紀にさかのぼる歴史を持ち、かつては主要な交易拠点であった。その遺跡は現在のトルコにあり、ユネスコ世界遺産に登録されている。

X:シトロエン・エグザンティア
X:シトロエン・エグザンティア

Y:GMCユーコン

GMのトラックブランドであるGMCは、巨大SUVのユーコン(Yukon)を毎年8万台も販売しているが、これはその名前の由来となったカナダのユーコン準州の人口の2倍近い数である。一方、ユーコンの兄弟車であるシボレー・タホは、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈にある湖にちなんで名付けられた。

Y:GMCユーコン
Y:GMCユーコン

Z:サンヨン・コランドDMZ

これはかなり微妙な例で、サンヨン(Ssangyong)もコランド(Korando)も「Z」では始まらないというご指摘はごもっともである。しかし、ここで取り上げるのはDMZという仕様で、非武装地帯(DeMilitarized Zone)の略称だ。韓国と北朝鮮の間にある緩衝地帯にちなんで名付けられた、一風変わったピックアップトラックなのだ。

コランドDMZには標準で迷彩塗装も施されているが、粗野でやかましいディーゼルエンジンのおかげで、発見されないようにするのは困難を極める。そう、今回のA to Zの旅は、地球上で最も厳重に警備された国境のど真ん中で終わるのだ。観光の無事を祈る。

Z:サンヨン・コランドDMZ
Z:サンヨン・コランドDMZ

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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