【中国で現地取材】マツダの新型EVセダン、EZ-6に初乗り!ディーラーでも生の声を聞く

公開 : 2025.01.23 11:45

ドライビングポジションはロードスターのような感覚

2024年9月下旬に発売されたEZ-6だが、このたび念願かなって現地での試乗が実現した。車両は中国大手自動車メディア『mewcars』で編集長を務める、張効銘氏の私有車である。張氏のもとに昨年12月末に納車された車両を試乗させてもらえることになった。

まず実車に出会った際のファーストインプレッションだが、サイズは数字ほどの大きさを感じない。マツダならではのエッジの効いたシルエットと、有機的なプレスラインがスリークに鍛え上げられた印象を演出しているからだろう。一方で仕方のないことだが、中国の道路事情に合わせるために最低地上高が高くされており、またフェンダーの隙間も少し気になってしまうと感じた。

試乗車両は、中国大手自動車メディア『mewcars』で編集長を務める張効銘氏の私有車。
試乗車両は、中国大手自動車メディア『mewcars』で編集長を務める張効銘氏の私有車。    加藤ヒロト

実際に座ってみるとやはりEVだからかアイポイントは若干高めだが、着座位置はさほど不自然ではない。シートが低めに位置しているおかげなのか、ドライビングポジションはまるで2ドアクーペのような印象で、もっと言うとマツダ・ロードスターのような感覚とも言える。こういった細かい点でもマツダならではのこだわりが見えた。

中央には14.6インチディスプレイが鎮座し、各種インフォテインメントやエアコンの操作などが行える。インストルメントパネルにも10.1インチディスプレイを採用しているが、それらディスプレイに表示されるUIはまったくマツダ車らしくないもの。マツダお馴染みの車載システム『マツダ・コネクト』でないことはもちろんわかっているが、それでもUIがあまりにもベース車そのまますぎて、なおかつ車両情報やメーターデザイン、フォントなどが安っぽい点は残念に感じた。

しっかりと魂がたかぶるようなフィール

一方で室内空間自体はかなりマツダ車らしい印象を受けた。素材選びから造形、色の使い方まで、目で見て、手で触れる瞬間に「このクルマは立派なマツダ車だ」と感じさせる完成度だ。しかし、ステアリング上や室内灯周りのボタン類といった部分はベース車と同一の印象で、テカテカした表面処理や押し心地の甘さはマイナスに思う。

コラムにあるウインカーレバーやセレクターレバーは上下に押しても固定されない方式で、この点に関しては従来のマツダ車が採用する、押したらしっかりと固定される『樽型』レバーのほうが絶対良いはずだ。

マツダ車らしい完成度を感じる一方、一部ベース車と同一の甘さも見受けられる。
マツダ車らしい完成度を感じる一方、一部ベース車と同一の甘さも見受けられる。    加藤ヒロト

装備面では他にも64色から選択できるアンビエントライトや、上位グレードではソニー製オーディオ(14スピーカー)などを備えて中国での流行を反映させている。

今回試乗したのは発電用エンジンを搭載するモデルだが、低回転時での騒音や振動はとても上手く処理されている。そして強めに加速するとエンジンが発電するために回転数を上げるのだが、その音もしっかりと魂がたかぶるようなフィールであった。街乗りでは静かに、でもパワーが欲しい時はそのように雰囲気を整えるというのも従来のマツダ車と変わらない。

サスペンションはほどよく硬く、またブレーキは踏んだ分だけしっかり効くというのもマツダ特有のスポーティなセッティングだ。加速は強めに踏んでもマイルドに始まり、昨今の中国製EVにありがちな不快さは感じられない。

一方でブレーキ自体の弱さは否めず、フロントキャリパーが1-potなのは不十分だ。急ブレーキをかけても期待していたほど強くは効かないため、制動面における改善を期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤ヒロト

    Hiroto Kato

    山口県下関市生まれ、横浜在住。慶應義塾大学環境情報学部に在学するかたわら、各自動車メディアにて「中国車研究家」として中国の自動車事情について「クルマ好き」の視点で多様な記事を執筆する。また、自費出版で中国モーターショーのレポート本「中国自動車ガイドブック」シリーズも手掛けている。愛車は1998年型トヨタ カレンと1985年型トヨタ カリーナED。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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