ホントに出るのか! 新型ルノー5ターボ3E、夏までに一般公開へ 数百台の限定生産

公開 : 2025.01.28 06:05

ルノーの新型ホットハッチ「5ターボ3E」がまもなくデビューを飾る。最高出力500ps超のインホイールモーターを採用し、150台以上の生産を予定しているという。

500ps超の電動ホットハッチ

ルノーは、新型ハッチバック「5ターボ3E(Turbo 3E)」の量産版を今後数か月のうちに公開し、2026年より生産を開始する予定である。

生産予定台数は150台以上とされ、今後、さらに本格的なパフォーマンスモデルを発売する可能性もある。

ルノー5ターボ3E
ルノー5ターボ3E    ルノー

アルピーヌとの共同開発により生まれたターボ3Eは、かつての初代ルノー5ターボの現代版という位置づけだ。新型EVのルノー5 Eテックをベースにしているが、専用のボディワーク、独自のプラットフォーム、そして500psを超える出力を誇るインホイールモーターを搭載している。

そのコンセプトは、ルノーの過去または現在のどのモデルともかけ離れているが、ルノーブランドCEOのファブリス・カンボリーヴ氏はAUTOCARの取材に対し、「すでにルノー5 Eテックのデザインは旧型ターボの要素を取り入れており、これは一種の論理的な帰結である」と語っている。

また、ターボ3Eは、5のバリエーション拡大という重要な役割も果たしているという。

「わたしにとって、5に対する顧客ニーズをできるだけ幅広くカバーすることが非常に重要だった。非常に興味深い価格帯から始め、極端な感覚を求める人々にも受け入れてもらうことだ」

「運転が楽しくてたまらないクルマがあるのなら、限界に挑戦しない手はないだろう」(カンボリーヴ氏)

同氏によると、ターボ3Eでは「ドリフト走行」と「高速走行」といった走行性能を一番の特徴とするが、ハッチバックとしての実用性を維持できるよう、効率性も重視して開発されたという。

「だからこそ、車輪に “エンジン” を搭載するというアイデアは非常に興味深いものだった」

この発言はインホイールモーターについて言及したものだ。インホイールモーターは従来のeアクスルと比較して、パッケージング、効率、動力伝達において大きな利点があるとして、広く注目されている。

カンボリーヴ氏は、その潜在能力を披露するために実際の走行シーンを公開すると述べたが、具体的な日時や場所については言及しなかった。

ターボ3Eはもともと、2022年にコンセプトカーとして公開されたが、昨年末に市販化がアナウンスされた。兄弟ブランドであるアルピーヌは、ルノー5 Eテックをベースとするホットハッチ、A290をすでに導入しているが、さらに高度なチューニングが施され、生産台数もごく限られたものとなるだろう。

価格についても具体的な数字は明らかにされていないが、カンボリーヴ氏は「パワーにふさわしい価格を設定するつもりだ」と述べ、アルピーヌA110 Rウルティムの4000万円超をはるかに下回るだろうと付け加えた。

しかし、150台より「はるかに多い」台数を生産する予定であり、このクルマに対する反響に勇気づけられているとカンボリーヴ氏は言う。

「この種のクルマは決して価値が下がらないと考えている多くの人々は、すでに投資の準備を整えている。(初代)ルノー5ターボ1では、かなり高額な価格を目にする」

初代ターボは、コレクターズアイテムとしての地位を確立している。市街地ではほとんど見られなくなり、現在、最も状態の良い個体の価格は15万ポンド(約2900万円)をはるかに超えている。

「価格が障壁になるとは思わない。妥当な価格であり、パワー、効率、テクノロジー、革新性、そして非常に高い品質を備えていれば、特にルノーの過去のウルトラ・スポーティな側面を覚えている人々を中心に、顧客を獲得できるだろう」

ルノーが以前ホットハッチで使用していた「ルノー・スポール」という名称を使わないのは、「製品に重点を置いている」ためであり、「製品がない状態でルノー・スポールについて語ることは本質的ではない」からだという。

しかし、ルノーには今後、さらに多くのパフォーマンスモデルが登場するかもしれない。

「わたしは、まずターボ3Eについて語りたい。そして、ターボ3Eが成功したら、その上で何ができるか見てみたい。段階的に『スポーツ性』を高めていこうではないか」とカンボリーヴ氏は語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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