華やかさと実用性を巧みに両立 ルノー・ラファール・フルハイブリッドへ試乗 僅かな不満も残る
公開 : 2025.01.20 19:05
ルノーの新しいフラッグシップSUV、ラファール 高級感が漂う車内 ファミリーSUVとして普段使いに不満はなし 僅かな不満が残るパワートレインとサスペンション 英編集部が評価
もくじ
ー僅かな不満が残るパワートレインとサスペンション
ーファミリーSUVとして普段使いに不満はなし
ー高級感が漂う車内 操作性の良いタッチモニター
ールノー・ラファール E-テック・フルハイブリッド・アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)のスペック
僅かな不満が残るパワートレインとサスペンション
2024年に、スペインで初試乗したルノー・ラファールのE-テック・フルハイブリッド。ブランドのフラッグシップとして、魅力的なクーペSUVだと筆者は感じた。ただし、パワートレインとサスペンションの洗練度には、僅かな不満が残ったことも事実だ。
今回試乗した場所は、グレートブリテン島の一般道。冒頭で触れてしまうと、概ね前回の印象から大きな違いはなかったといえる。

ルノーがE-テックと呼ぶハイブリッドシステムは、1.2L 3気筒ガソリン・ターボエンジンに、68psの駆動用モーターと34psのスターター・ジェネレーター(ISG)を組み合わせたもの。ここに、エンジン用として5速AT、駆動用モーターに2速ATが実装される。
システム合計では、199psと41.6kg-mを発揮する。0-100km/h加速は8.9秒と、そこまで鋭いわけではない。ちなみに、更にパワフルなプラグイン・ハイブリッドが控えているそうだ。
発進時のデフォルトはEVモード。電気だけで静かに動き出すものの、静止状態からの勢いはやや物足りない。負荷が上昇しエンジンが始動すると、明らかにパワー感が増し、大きなボディを意欲的に進めてくれる。
パワーディバリーの印象は、複雑なトランスミッションが若干濁す。アクセルペダルを踏み込んでシフトダウンするまで、長くはないものの、タイムラグが存在するためだ。
ファミリーSUVとして普段使いに不満はなし
電気モーターが積極的に働き、走行中は基本的に静か。だがエンジンの回転状態によっては、小さくないノイズが車内へ届いてしまう。ラファールが停止中でも。洗練性が高いとまではいえないだろう。
ブレーキペダルの感触は悪くない。回生ブレーキと摩擦ブレーキを協調させるためか、踏み応えは柔らかめながら、制動力は調整しやすかった。カックンブレーキにはなりにくいはず。

アスファルト舗装の状態が良くない郊外の道では、硬めの乗り心地が目立ってしまう。小さくない凹凸を高めの速度域で通過すると、なだめきれず衝撃が伝わってくる。市街地ではしなやかになり、落ち着きが出てくるが。
ステアリングホイールへ伝わるフィードバックは薄め。試乗車はエスプリ・アルピーヌを冠するグレードだったが、ボディロールも小さくなく、積極的に運転したいという気分を刺激するほどではなかった。
とはいえ、大きめのファミリーSUVとして、家族を乗せて穏やかに走っている限りは不満なし。後輪操舵システムが備わり、住宅地のような狭い道をキビキビ進める。
燃費は、カタログ値で21.3km/L。今回の試乗では、高速道路を一定速度で巡航し、18.4km/Lを得られた。現実的な環境の平均では、17.0km/L前後になるだろう。