【とりわけ印象的だった輸入車4WD】パッケージもメカニズムも個性派揃い!スポーツ路線ヨンク5選

公開 : 2025.02.07 11:45

ランボルギーニガヤルド(前期型/2003〜2008年)

12気筒フラッグシップより若干コンパクトな、いわゆるベビー・ランボが、1988年に生産を終えたジャルパ以来の復活を遂げたのは2003年のこと。それが『ガヤルド』だ。

ただしパワートレインのレイアウトは、かつてのようなV8&MRではなく、後にきょうだい車のアウディR8も採用する5.0L V10で、四輪駆動だった。自然吸気ながら500ps/510Nmを発生し、6速の3ペダルMTとeギアと呼ばれるセミATを設定。2005年には520psへ増強され、スパイダーも加わった。

ランボルギーニ・ガヤルド(前期型/2003〜2008年)
ランボルギーニ・ガヤルド(前期型/2003〜2008年)    ランボルギーニ

R8もそうだったが、カミソリのような切れ味のあるクルマで、舗装路でも、ウインタータイヤを装着しての雪上でも、スリルのあるドライビングができた。もちろん4WDならではのトラクションの高さも感じることができ、雨の日の高速道路でも平穏な移動が可能だ。なお後期型では、2009年に限定車、2010年にはカタログモデルとして後輪駆動車も用意された。

メルセデスAMG A45S 4マチック+(2018年〜)

かつてターボ+ハイテク4WDのCセグメントといえば日本車の十八番だったが、今やそのカテゴリーの頂点に君臨するのはAMGだ。F1のテクノロジーも応用された2.0L直4ターボは、最大過給圧2.1barで421ps/500Nmを発生し、世界最強の2.0L直4を自認する。

4WDシステムは、前後駆動力配分を100:0〜50:50の範囲で連続可変制御し、後輪の左右配分も可変式。FFベースの退屈なハンドリングかと思いきや、AMGダイナミックセレクトのモードをスポーツやスポーツプラスに切り替えて走らせれば「アクセルでコーナーを曲がる」感覚が味わえる。

メルセデスAMG A45S 4マチック+(2018年〜)
メルセデスAMG A45S 4マチック+(2018年〜)    メルセデスAMG

兄貴分のC63 AMGよりもファンなハンドリングは、まさに羊の皮を被った狼と言える存在である。

フォルクスワーゲン・ゴルフR32(5代目/2006〜2009年)

2004年に登場した5代目ゴルフ(V)は、先代比60mm伸びたホイールベースによる居住性向上と、DSGと呼ばれるデュアルクラッチ(DCT)の採用がトピック。動力性能はGTIが200psに達し、かなり刺激的な走りを見せたが、その上を行くのがR32だ。

R=レーシングの頭文字に続く32が、排気量が3.2Lであることを示すのは初代同様(ちなみに初代R32は最初のDSG搭載車)。GTIより130kgほど重いが、ダウンサイジングターボ化を免れ250ps/320Nmを発生するVR6こと狭角V6の性能と、多板クラッチ式4WDが発揮する優れたトラクションの恩恵で、0-100km/h加速は0.9秒も速い6秒フラットをマークする。

フォルクスワーゲン・ゴルフR32(5代目/2006〜2009年)
フォルクスワーゲン・ゴルフR32(5代目/2006〜2009年)    フォルクスワーゲン

日本市場へはMT/左ハンドルの3ドアと、DCT/右ハンドルの5ドアが導入された。5代目ゴルフは、FF車ではドライビングミスで一旦大きめのアンダーステアを出してしまうと、たとえそれがGTIであっても元の軌跡に戻すのが難しい。ところが、R32は簡単に復帰させることができる。そのハンドリングは、『ベスト・オブ・ゴルフV』と思っていい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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