【とりわけ印象的だった輸入車4WD】パッケージもメカニズムも個性派揃い!スポーツ路線ヨンク5選
公開 : 2025.02.07 11:45
冬の雪が多い時期に頼もしく思えるクルマといえば、やはり4WDです。そこで三十年余り自動車メディアに携わってきた木原寛明が、とりわけ印象深かった4WD車をピックアップ。今回は輸入車編として5台をご紹介します。
もくじ
ースキーのジャンプ台を登るアウディ100クワトロ
ーアウディRS4(B7系/2006〜2008年)
ーランボルギーニ・ガヤルド(前期型/2003〜2008年)
ーメルセデスAMG A45S 4マチック+(2018年〜)
ーフォルクスワーゲン・ゴルフR32(5代目/2006〜2009年)
ーポルシェ911ターボ(992型/2020年〜)
スキーのジャンプ台を登るアウディ100クワトロ
4WDの輸入車を日本に知らしめたのがアウディのクワトロであることは間違いないだろう。1980年代には『アウディ100クワトロ』(3代目)がスキーのジャンプ台を登り切るというテレビCMが放映され、2005年にはクワトロ誕生25周年を記念して、『A6クワトロ』を用いたリバイバルCMも放映された。
また、輸入車はミリタリースペックのオフロード4WDや高級SUVも充実している。メルセデス・ベンツGクラス(ゲレンデヴァーゲン)、ランドローバー・ディフェンダーやレンジローバー、今は販売していないがハマーなど、誕生の経緯からしてストーリーがある、キャラの立ったものが目白押しだ。

さらには、スーパーカーや超高性能スポーツカーが多いのも、輸入4WD車の特徴だ。そのパイオニアとなったのがポルシェ911、そしてランボルギーニ・ディアブロだろう。ランボルギーニはそれに先駆け、今で言うSUVのLM002も開発。カウンタックのV12を積んだオフローダーで、現在のウルスに代表されるスーパーSUVの源流とも言えるクルマだ。二輪では制御しきれないハイパワーを四輪に配分するやり方は、いまや常識となっている。
今回選んだ5台の輸入4WD車に、いわゆるクロカンやSUVはなかった。もちろん、そういったジャンルにも印象深い名車は少なくないのだが、それらは主に悪路走破性を重視した大型車で、4WDシステムのレイアウトや方向性が似てしまうからだろう。
そこで、パッケージングやメカニズムにバラエティのある、スポーツ路線の5台をセレクト。各車種の概要を説明するとともに、乗り味などの感想を含めて紹介する。
アウディRS4(B7系/2006〜2008年)
アウディのRSモデルといえば、B4系80をポルシェがチューニングした『RS2』が伝説のように語られている。そして2891台の希少車であるRS2の精神を受け継ぐのが、当時のクワトロ社(GmbH)が手がけたB5系の初代『RS4』で、この2台はワゴンボディのアバントのみだったが、1世代あけたB7系の2代目RS4は、セダンとカブリオレも設定された。
エンジンは、RS2の2.2L直5、初代RS4の2.7L V6に代わり、初代R8と同じ4.2L V8を搭載し、ゼロ発進では4.8秒で100km/hに達する。トランスミッションは6速MTで、センターデフはトルセンを用い、基本となる前後駆動力配分は40:60だが、最大でフロントは65%、リアは85%まで増量できる。

一般路での安定性、機敏性に優れ、ステアリング操作をしたあとはよく出来たFR車のように曲がれる。ウインタータイヤを装着し、雪上や氷上路も走ったが、印象が変わらない。いままで乗った輸入4WD車のなかで、もっとも安心して走れたクルマかもしれない。