このサイズでまさかの7人乗り! シトロエン新型「C3エアクロス」 約400万円から発売

公開 : 2025.02.04 18:05

新型シトロエン「C3エアクロス」が欧州で発売された。3列シート7人乗り仕様で2万1005ポンド(約400万円)から。先代よりも大型化し、実用性を高めた。ガソリン、マイルドハイブリッド、EVが用意される。

全長4.4m以下で3列7人乗りを実現

シトロエンは新型のコンパクトSUV「C3エアクロス(C3 Aircross)」を英国で発売した。7人乗り車としては非常に低価格なモデルで、3列シート仕様で2万1005ポンド(約400万円)からとなっている。

その価格は、必要最低限の装備を備えたダチア・ジョガーのエントリーグレードの1万8295ポンド(約350万円)には負けるが、標準装備では、10.25インチのタッチスクリーン、17インチのアルミホイール、3列目乗員用のUSB-Cポートなど、さまざまな装備が付いている。

シトロエンC3エアクロス
シトロエンC3エアクロス    シトロエン

C3エアクロスの全長は4.39mで、現在英国で販売されている7人乗り車の中では最小だ。

5人乗り仕様は、最高出力100psのターボ付きガソリンエンジン、6速MT搭載車で2万240ポンド(約390万円)からとなっている。

7人乗りのシート(オプションで765ポンド)を装着すると、トランクの容量は460Lから330Lに減少する。また、3列目のシートを立てた状態(7人乗車時)では、ラゲッジスペースはほぼ残らない(次項の写真)。

上位グレードのマックスは、最高出力138psのマイルドハイブリッド・パワートレインと8速ATを搭載し、2万5740ポンド(約500万円)からとなる。シートヒーター、追加のボディカラーオプション、ワイヤレスのスマートフォン充電器、追加のパーキングセンサーなどが標準装備される。

EV版の「e-C3エアクロス(e-C3 Aircross)」は2万2990ポンド(約440万円)からで、7人乗りは設定されていない。

現状、パワートレインとしては最高出力113psのモーターと44kWhのバッテリーを使用したバージョンのみが販売されており、航続距離は300kmで、小型ハッチバックのe-C3より27km短い。

大容量のバッテリーも今年後半に導入される予定で、航続距離は400km以上に伸びる。

e-C3エアクロスの価格は、ガソリンエンジン版よりもわずか2500ポンド(約50万円)高いだけなので、航続距離は短いものの、新型フォード・プーマ・ジェネレーションEより約7000ポンド(約135万円)、小型のMG 4 EVより4000ポンド(約75万円)も下回る。

e-C3エアクロスの最も高価なマックスグレードでは2万4990ポンド(約480万円)となっている。

多様なパワートレイン設定

2代目となるC3エアクロスは、導入時期がプジョー206まで遡る従来のPFA1プラットフォームから、ステランティスの新しいスマートカー・プラットフォームに切り替えた。

このプラットフォームはC3、フィアット・グランデ・パンダ、オペル・フロンテラと共有し、コストを重視しながらもさまざまなタイプのパワートレインに適合するように設計されている。そのため、C3エアクロスにもガソリン、マイルドハイブリッド、バッテリーEVの3種類のパワートレインが用意される。

シトロエンC3エアクロス(7人乗り仕様)。3列目を立てるとラゲッジスペースはほとんど残らない。
シトロエンC3エアクロス(7人乗り仕様)。3列目を立てるとラゲッジスペースはほとんど残らない。    AUTOCAR

ガソリンエンジンは、ステランティスのターボチャージャー付き1.2L 3気筒で、6速MTと組み合わされる。前輪駆動で最高出力は100ps。

同じエンジンを使用したマイルドハイブリッド・パワートレインは、タイミングチェーン(ベルトではない)や可変ジオメトリ・ターボチャージャーなど、40%が新しい部品で構成されているという。

28psの永久磁石同期モーターとDCTを組み合わせ、フロア下に搭載された小型の48Vリチウムイオンバッテリーから電力が供給される。シトロエンは、このシステムにより、市街地走行の約半分をモーターのみで走行できるとしている。

ガソリン版とマイルドハイブリッド版は5人乗りと7人乗りがあるが、EVは5人乗りしかない。

EVのパワートレインは、フロントに搭載された最高出力113psのシングルモーターと、44kWhのリン酸鉄リチウムバッテリーで構成されている。

0-100km/h加速タイムなどの加速性能は公表されていないが、シトロエンは「日常的な交通状況に十分対応できる性能」を備えていると述べており、市街地走行に重点を置いているようだ。

また、乗員の快適性を最優先し、C3と同じ油圧式バンプストッパーを採用しつつ、最大7人乗りの重量を支えられるように調整したという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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