【雪国で強いスバルたち】クロストレックとレヴォーグ・レイバック雪道試乗!際立つストロングハイブリッド

公開 : 2025.02.12 11:45  更新 : 2025.02.16 17:48

現行スバルのフラッグシップ的存在

帰路はレヴォーグ・レイバックに試乗。レヴォーグをベースに車高を上げ、それに応じたサスペンションチューニングを施したクルマだ。何よりもグランドクリアランスが200mm確保(レヴォーグは145mm)されているのは、こういった雪道などでは心強いし、さすがに現行スバルのフラッグシップ的存在ということもあり、上質さも感じさせる室内の雰囲気はなかなかのものだ。

酸ヶ湯温泉から青森市内まではほとんど下り坂なので、CVTで気になるラバーバンドフィールはほとんど感じられなかったが、市内のゴーストップで強めにアクセルペダルを踏み込むようなシーンでは感じられることもあった。ただし、この直前までクロストレックS:HEVに乗っていたことも、レヴォーグ・レイバックには不利に働いたことは否めない。

現行スバルのフラッグシップ的存在となるレヴォーグ・レイバック。車高が高くなっている。
現行スバルのフラッグシップ的存在となるレヴォーグ・レイバック。車高が高くなっている。    内田俊一

乗り心地はクロストレックS:HEVよりもしなやかさが際立ち、ショックを上手く吸収してくれる。またコーナーなどで、無理やり車高を上げた腰高な印象は全く感じられず、専用のサスペンションチューニングが上手く作用していると言えるだろう。

気になったセンタースクリーンサイズ

一方で気になるところもあった。まず両車共通となるセンタースクリーンのサイズだ。正直ここまで大きい理由が見つけられない。今回のような晴天時に雪などに囲まれると様々な方向から乱反射した光が入って来る。そうすると画面がほとんど見えなくなることもあり不便に感じた。

また、温度調整やオーディオのボリュームなどは物理スイッチが設けられているのでその点は評価できるが、センタースクリーン内で操作しなければいけないもの、例えばブレーキのオートホールドをオンにしたい時はミスタッチを防ぐために画面を注視する必要があり、煩わしく感じた。当然走りながらの操作は推奨しない。

クロストレックの室内。センタースクリーンはかなり大きい印象で、アンバランスにも感じられる。
クロストレックの室内。センタースクリーンはかなり大きい印象で、アンバランスにも感じられる。    内田俊一

もうひとつ、雪国における性能の高さを誇るスバルなら、ドアはサイドシルを覆うように設計してもらいたい。当然雪道を走ればサイドシルまわりは泥汚れなどが付着してしまう。そうすると、乗降時にそこにパンツやスカートなどの裾があたり汚れてしまうことがあるのだ。そのあたりもぜひ気を使ってもらいたいと感じた。

今回の2台はアウトドアで積極的に使いたいクロストレックS:HEVと、ロングツアラー向きのレヴォーグ・レイバックという性格の違いはあるものの、どちらのクルマも雪道で不安を感じることは全くなく、スバルの雪国における性能の高さは十分に感じられた。同時にS:HEVの乗りやすさは際立っており、スバルの主流パワートレインとして今後に期待が持てた。近々発表される予定の新型フォレスターも楽しみである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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