初代NAを電動化 エレクトロジェニックMX-5(ロードスター)へ試乗 お金持ちのおもちゃ?

公開 : 2025.03.10 19:05

路面のうねりへ息を合わせるように追従

それでは、テストコースへ。動力性能は、ドライブモードで大きく変わる。馬力的には、エコ・モードが本来のNA型ロードスターへ近いといえる。ノーマル・モードは、2.0LエンジンのNC型へ近い。

しかし、パワーデリバリーはどんなロードスターとも異なる。スポーツ・モードでは、31.6kg-mの大トルクがリアタイヤを完璧に打ち負かす。リアデフは、リミテッドスリップではない。

エレクトロジェニック・マツダMX-5(ロードスター/英国仕様)
エレクトロジェニック・マツダMX-5(ロードスター/英国仕様)

タイヤは、フロントがトーヨー・プロクセスだが、リアはローグリップなラピッドP309を履いていた。ステアリングホイールできっかけを与えれば、25%程度のアクセルペダルの開度でも、トラクションが抜けドリフトが始まる。

オリジナル状態のサスペンションは、柔らかくしなやか。路面のうねりへ、息を合わせるように追従し、テールスライドを自在に調整できる。丁寧に扱えば、タイヤの減りは最小限に抑えられるはず。右足の加減で、速度調整も至ってしやすい。

ただしアクセルオフ時の反応は、自然吸気の4気筒エンジンとは異なる。僅かにパワー調整が難しく、遥かにトルクが太いことを意識する必要はある。

ステアリングホイールを思いきり切り、50%くらいまでアクセルペダルを倒せば、くるりと90度ターンも簡単。電子的なアシストは基本的にないが、開発者はクルマのことを深く理解する人に違いない。

美しいと表現したい回頭性 リカバリーは容易

ノーマル・モードでも、充分トルクフル。滑りやすい路面では注意が必要だろう。パワーウエイトレシオは、オリジナルでは142ps/tだが、こちらは147ps/tとなる。

とはいえ、予期せずテールが流れても、リカバリーは容易。ステアリング系はオリジナルのままだというが、ダイレクトで軽く回せる。細身のリムを通じて、しっかり情報が伝わり、コミュニケーション力は高い。ただ重いだけの、それとは異なる。

エレクトロジェニック・マツダMX-5(ロードスター/英国仕様)
エレクトロジェニック・マツダMX-5(ロードスター/英国仕様)

電気自動車と聞くと、重さが気になるところだが、車重は約1100kgとのこと。エレクトロジェニックは、100kg増しに留めている。

これが、本来のロードスターらしい操縦性を味わえる鍵といえる。前後の重量配分も、ほぼ50:50とのことで、回頭性は美しいと表現したくなるほど。

電費効率は4.8-6.4km/kWh程度で、航続距離は複合条件で257kmがうたわれる。エコ・モードで市街地を流すような環境なら、320kmに届くと同社は予想する。反面、真冬の高速道路では250kmを大きく下回るだろう。

急速充電器に繋げば、残量10%まで80%まで、45分で回復可能。一般的な家庭用のAC充電器では、5時間程度が必要になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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