【992.2型はジャーナリスト泣かせ?】最新のポルシェ911カレラに試乗!ナローにも通じるその真価

公開 : 2025.03.05 11:25

真価が見たければ車体下がオススメ

ちなみに911カレラの本体価格は1694万円。992カレラ(前期型)がデビューした当初の価格は1360万円ほどだったので、この5年で25%程度高くなった計算になる。

全体的な物価上昇を考えれば不思議ではないが、911好きとそうではない人にとって価格に対する印象はけっこう違うはず。よく出来ているのはわかるが、でも高くないか? という人もいると思うのだ。

911カレラは3L水平対向6気筒ツインターボを搭載。394ps/450Nmのスペックとなる。
911カレラは3L水平対向6気筒ツインターボを搭載。394ps/450Nmのスペックとなる。    田中秀宣

では筆者の印象はどうかというと、走りはもちろん部品レベルで見ても逆に安いと思う。昨今の911はエンジンもほとんど拝めないので、『部品レベルの良さ』を確認したければ車体下がお薦め。特にお尻の側から覗いた911の裏側は、まあすばらしいのだ。

ロワーアーム、ハブキャリア、スタビマウント、リアサブフレーム等々アルミ鋳物のオンパレード。安っぽい樹脂パーツはZF製ATのアンダーカバーくらい。

もちろんボディ側も素晴らしい。911のフロントバルクヘッドから先はふたつの箱型構造になっていて、ストラットを受けるボディとして理想的。それがバルクヘッドから伸びた2本の水平ビームと混ざり合う。車体裏から見るとセルフピアッシングリベットが散見されるので、鉄とアルミを適材適所で使用していることもわかるのだ。

派生の原点、実は最も濃厚なDNA

例えば、GT3RSのようにカーボンパネルだらけでエアロが尖っているようなモデルは見た目的にも、刺激的な走りの部分でも高価格を納得しやすい。

それと対照的なのが素の911カレラで、入念な作り込みをあまり表に出さず、それでいて車重は時代のスタンダードより確実に軽く、結果的にライバルより少し最高出力が低くてもレベルの高い走りをサラリとやってのける。様々な派生モデルのオオモトだからこそコストが掛かっているのだが、その真価がわかりにくいのである。

911カレラの本体価格は1694万円。992デビュー時は1360万円だったので、この5年で25%程度高くなった。
911カレラの本体価格は1694万円。992デビュー時は1360万円だったので、この5年で25%程度高くなった。    田中秀宣

そうそう、今回の911カレラで言えば、フロントナンバー下のセンサーの存在感が増したおかげでADASの性能も素晴らしかった。レーンキープも信用が置けるもので、これなら休日帰りの高速渋滞も怖くない。

結局のところ、911カレラの真価は60年以上も前のナローの頃とほとんど変わっていない。世界レベルのモータースポーツで勝利できる基本骨格を持ちながら、普段使いから長距離ドライブまでカバーし、4人乗りも出来てしまう。スポーツカーとして充分な刺激と速さがありながら、カバレッジが異常なほど広いのだ。最新の911カレラにも、そんなDNAがしっかりと感じられたのである。

ポルシェ911カレラのスペック

全長×全幅×全高:4542×1852×1302mm
ホイールベース:2450mm
トレッド:F1597/R1551
車両重量:1520kg
エンジン:水平対向6気筒ツインターボ
ボア×ストローク:91.0×76.4mm
総排気量:2981cc
圧縮比:10.2
最高出力:290kW(394ps)/6500rpm
最大トルク:450Nm/2000-5000rpm
トランスミッション:8速DCT(PDK)
燃料タンク容量:63L
駆動方式:後輪駆動
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク
タイヤサイズ:F235/40ZR19 R295/35ZR20
最高速度:294km/h
0-100km加速:3.7秒
車両価格:1694万円
取材車車両価格:2370万2000円

992.2型のハイライトはカレラGTSがハイブリッドモデルであること。機会を改めてレポートしたい。
992.2型のハイライトはカレラGTSがハイブリッドモデルであること。機会を改めてレポートしたい。    田中秀宣

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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