【気軽に愛車で走れる唯一の外国】1986年式『痛車』トヨタ・カリーナEDで韓国ドライブ!

公開 : 2025.03.06 12:05  更新 : 2025.03.06 16:38

気軽に愛車で走れる唯一の外国、それはお隣の韓国です。1986年式『痛車』のトヨタ・カリーナEDを所有する加藤ヒロトが、長年の夢であった韓国ドライブを実現。必要な手続きは? 実際に走ると? 気になる部分を詳しくレポートします。

長年の夢、実現へ

山口県下関市に生まれた筆者にとって、お隣の国である韓国は身近な存在であった。駅前には在日韓国人が経営する小規模な商店が並び、港からは韓国南部の都市、釜山へ向かう関釜フェリーが毎日1便就航している。

1905年に開設された関釜連絡船をルーツに持つ関釜フェリーは旅客だけでなく、貨物輸送や車両航送も手がけており、下関市内では上陸したばかりの韓国ナンバー付き車両を見かけることも珍しくない。

乗船前、下関港国際ターミナルにて。
乗船前、下関港国際ターミナルにて。    加藤ヒロト

日本では特例に基づき、海外旅行者の乗用車は新規登録等を受けなくても日本国内を走行することが原則可能だ。韓国の場合はナンバープレートにハングルが使われているため、それをアルファベット転写した国際ナンバーの装着(ステッカーや紙で可)が求められている。

一方、日本から外へ出る場合は地名やひらがながアルファベット表記になっている国際ナンバーを装着するが、韓国はこの国際ナンバーが規定により省略可能となっているため、本当に日本で走っている姿のまま、韓国国内を走行できるのだ。

かねてから自分のクルマを韓国に持ち込んで旅をしたいと思っていたものの、2020年に発生した新型コロナウィルス感染症の拡大により、海外旅行そのものが難しくなってしまった。先が見えない状況が続いていたが、2022年12月に関釜フェリーが旅客営業を再開すると発表、あとはタイミングの問題だけだった。

そんな中、筆者が好きな作品のイベントが首都ソウルで開催されると2024年7月に発表されたので、「これしかない!」と思って長年の夢を実行に移すことにした。

約40年前のクルマで海を渡る

筆者が所有しているクルマは、1996年式のトヨタ・カレンと1986年式のトヨタ・カリーナEDの2台だ。どちらも好きな作品のキャラクター絵を貼った『痛車』で、今回はソウルで開催されるイベントに出演するキャラクターを貼っているカリーナEDの方で韓国へ向かうことにした。

1980年代の旧車ということもあってメンテナンスについてはよく心配されるが、前オーナーは約35年間車庫保管しており、なおかつ走行距離も8万kmに満たないほどの超優良個体だ。そして大前提としてトヨタ車なのでそもそも壊れにくいし、壊れたとしても大体の部品はなんとか調達できる。

乗船手続き中。この日のフェリーは韓国籍の『星希』。
乗船手続き中。この日のフェリーは韓国籍の『星希』。    加藤ヒロト

それでも駆け込み寺のない韓国で走ることは若干不安だったので、事前にブレーキまわりの整備(キャリパーO/H、ローターとパッドの交換など)や、ラジエーター交換、そしてアライメント調整を実施した。予備部品として各種ヒューズも持っていったが、結局使うことはなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤ヒロト

    Hiroto Kato

    山口県下関市生まれ、横浜在住。慶應義塾大学環境情報学部に在学するかたわら、各自動車メディアにて「中国車研究家」として中国の自動車事情について「クルマ好き」の視点で多様な記事を執筆する。また、自費出版で中国モーターショーのレポート本「中国自動車ガイドブック」シリーズも手掛けている。愛車は1998年型トヨタ カレンと1985年型トヨタ カリーナED。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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