【価格は5億円オーバー】電動化とは真逆の方向性!敢えてアナログも採用するパガーニ・ウトピア・ロードスター日本でお披露目

公開 : 2025.04.07 11:45

昨年夏にモントレーでワールドプレミアムされた『パガーニ・ウトピア・ロードスター』が、パガーニの正規輸入販売元であるスカイ・グループの『パガーニ・オブ東京』により日本でお披露目されました。上野和秀がレポートします。

ウトピア・クーペのタルガトップ版

昨年夏にモントレーで開催されたペブルビーチ・コンクール・デレガンスでワールドプレミアムされた『パガーニ・ウトピア・ロードスター』が、パガーニの正規輸入販売元であるスカイ・グループの『パガーニ・オブ東京』により日本でお披露目された。

ウトピア・ロードスターは、2022年9月発表されたパガーニにとってゾンダ、ウアイラに続く第3世代となる『ウトピア・クーペ』のタルガトップ版となる。昨今の電動化に背を向け、あえてエンジンに拘ったクルマ造りを継承する。

『パガーニ・ウトピア・ロードスター』が、『パガーニ・オブ東京』により日本でお披露目。
『パガーニ・ウトピア・ロードスター』が、『パガーニ・オブ東京』により日本でお披露目。
    上野和秀

ウトピア・ロードスターのワールドプレミアがモントレーで行われたのは、アメリカで最も厳しい安全基準と排ガス基準のカリフォルニア州というところに意味がある。ハイパーカーを世界中の顧客が乗れるように、国際的なホモロゲーションを遵守する姿勢を示すためだった。

途方もない技術的課題

ウトピア・ロードスターは、クーペと同時に開発が進められていたという。創始者であるオラチオ・パガーニはこの日、ビデオレターでウトピア・ロードスターへの思いを述べた。

「プロジェクトを開始してからすでに7年以上が経ちました。まずは深い感動を呼び起こすクルマを作ることでした。ルーフを閉めればクーペのように体験でき、ルーフを取り外せば解放感を楽しめる自由を提供するマシンです。

私たちはロードスターをクーペと同等の剛性と車両重量にしたいと考えました。それは途方もない技術的課題でした。しかし、最初から考え抜かれたコンセプトと、新しいカーボチタニウムの研究によりこれらの目標を達成できました」

今回の発表に際してパガーニ社アジアパシフィック・マネージングディレクターのアルベルト・ジオヴァンネッリ氏が来日し、ウトピア・ロードスターの説明を行った。

また、ウトピアは日本のすべての安全基準と排ガス規制をクリアするとともに、米国のすべての基準を満たし、主な市場で認証手続きを完了したという。さらには60回以上に及ぶ衝突テストを行い、世界で最も厳しいカリフォルニアの認証も得たと発表された。

オラチオ・パガーニのこだわり

パガーニ・アウトモビリが送り出す車両は、創始者であるオラチオ・パガーニがイメージする高性能でありながら、彼のクルマに対するロマンを感じさせる仕立てが特徴だ。

今回披露されたロードスターは、クーペ版のウトピアのデザインを損なうことなくオープン化された。ルーフはデタッチャブルのタルガトップで、ルーフの中央はグラストップとされており、クローズド状態でもキャビンは開放感にあふれる。

クーペ版のウトピアのデザインを損なうことなくオープン化された。
クーペ版のウトピアのデザインを損なうことなくオープン化された。    上野和秀

外したトップをガレージで保管するための専用スタンドが備わる。また、オープンにして外出した時に、突然の雨に対応するエマージェンシー用のソフトトップも用意されている。

パガーニの真骨頂といえる懐かしさを感じさせるインストルメントパネルには、今や常識となったナビディスプレイは存在しない。代わりに指針で瞬間に判断できるアナログのメーターと物理スイッチが並び、忘れていた機械との対話を楽しめる。

シグネチャーレザーで仕上げられたインテリアは、ダッシュボード、センタートンネル、エアベント、ギアレバーのアルミニウムパーツは、繊細な細工が施されたセミマットアルマイト仕上げで質感を高めている。

外装色のカーボン繊維を浮かび上がらせるハバネロレッドは、インテリアでも反復される。センタートンネル部分を始め、シート調整カバー、カーボンファイバー製シフトノブの内側にも施される。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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