2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のハイパーカー 10選 技術力の結晶
公開 : 2025.05.04 18:25
走行性能、スタイリング、エンジンサウンドなど、さまざまな観点からAUTOCAR英国編集部イチオシの「ハイパーカー」を10台紹介します。メーカーの技術力の粋を集めた、クルマの頂点と呼べる存在です。
もくじ
ー限界に挑む「夢」のクルマ
ー1. アストン マーティン・ヴァルキリー
ー2. GMA T50
ー3. メルセデスAMGワン
ー4. ブガッティ・トゥールビヨン
ー5. マクラーレンW1
ー6. フェラーリF80
ー7. パガーニ・ウトピア
ー8. リマック・ネヴェーラ
ー9. ロータス・エヴァイヤ
ー10. ジンガー21C
ーテストと選定方法
ーよくある質問 Q&A
限界に挑む「夢」のクルマ
絶大なパワーとパフォーマンス、美しさと猛々しさ、そして素晴らしい走りを備えた10台のハイパーカーをAUTOCAR英国編集部が厳選した。
多くのクルマ好きにとって、希少なハイパーカーが滑るように走り去る姿を目にし、耳を澄ませる体験ほど、興奮を掻き立てるものはないだろう。

ハイパーカーは非日常的なスタイリングを採用し、技術的な頂点を極めることを目指している。ハイパフォーマンス・アートの頂点とも称され、コストを度外視した最先端のエンジニアリングにより、究極のドライビングスリルを提供する。
現代のハイパーカーの起源は、比較的最近のものだ。1960年代のランボルギーニ・ミウラが世界初の「スーパーカー」だとすれば、「ハイパーカー」の原型はおそらく2005年のブガッティ・ヴェイロンであろう。16気筒エンジン、4基のターボ、そして最高速度400km/hを超える性能により、新しい次元に踏み込んだといえる。
ヴェイロンがセンセーショナルなデビューを飾ってから20年、ハイパーカーの数はヴェイロンの加速力に匹敵する勢いで増加した。
純粋なガソリンエンジン車からパワフルなPHEV、新世代のEVまで、パワートレインのバリエーションはかなり豊かになった。
今回は、最新のハイパーカーの中で、AUTOCAR英国編集部が特に気に入っているモデルを10台ピックアップした。いずれもスリル満点のドライブ・エクスペリエンスを提供し、速度記録を塗り替えながら、自動車の殿堂入りを確固たるものにしたモデルだ。
1. アストン マーティン・ヴァルキリー
長所:圧倒的なパフォーマンス 史上最も過激なメーカー純正ロードカー
短所:車内が非常にうるさい ハードな運転では非常に乗り心地が悪い
設計思想に関しては、アストン マーティンの『ヴァルキリー』はまさに、「一切の妥協を許さない」と表現するのがふさわしいだろう。

元レッドブルF1のテクニカルディレクターであり、空力の天才とも言われるエイドリアン・ニューウェイ氏(2025年よりアストン マーティンF1に移籍)が開発に携わったモデルで、究極のパフォーマンスを実現するために生まれた。目標はラップタイムを塗り替えること、ただ1つ。
ヴァルキリーはナンバープレート、ヘッドランプ、ウィンカーなどを装着しているが、中身は純血種のレーシングカーであり、車検を通すことができるのはほとんど偶然と言ってもいい。
カーボンファイバー製シャシーは軽量かつ高剛性で、風洞実験のデータを基にボディを形作り、さらに可変エアロを備えている。
サスペンションも丹念に作り込まれており、車高調整機能により走行中の姿勢を一定に保ち、コーナリングフォースがかかっても車体を安定させる。
ハイライトは自然吸気の6.5L V12エンジン(ただし、マイルドハイブリッド)で、最大回転数は1万1000rpmを誇り、最高出力1155ps、0-100km/h加速2.5秒、最高速度は350km/hに達する。
無駄を削ぎ落としたコックピットは、2シーターではあるものの、乗員のためのスペースはほとんどない。また、コスワース製エンジンが発する耳をつんざくような咆哮から耳を守るために、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンが必須だ。
身体に大きな負荷がかかることは間違いない。しかし、勇気さえあれば、サーキットでこれほど速いクルマはほとんどない。確かに、アクティブ・サスペンションは重要なフィードバックを削ぎ落とし、標準装備のミシュラン製タイヤは驚異的なパワーに対応しきれていないが、直感的な運転体験という点で、ヴァルキリーに匹敵するものは稀である。