コナの日本仕様から見えた真摯な姿勢【ヒョンデ・コナ長期レポート#10】

公開 : 2025.04.07 11:05

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中です。今回のレポートは、ヒョンデ・モビリティ・ジャパンで商品チームに所属する佐藤健さんにご登場頂き、コナの強みと日本仕様について伺いました。

プレスリリースの行間にある深い話を知らずに

今回のレポートは、ヒョンデ・モビリティ・ジャパンで商品チームに所属する佐藤健さんにご登場頂くことにした。

実は、私がヒョンデ・コナの日本デビュー時からは取材できていないため、新車時にだいたい行われる発表会や試乗会で得るような、プレスリリースの行間にある深い話を知らずにきていることがずっと気になっていた。

AUTOCAR JAPAN編集部が長期レポート中のヒョンデ・コナ。
AUTOCAR JAPAN編集部が長期レポート中のヒョンデ・コナ。    平井大介

佐藤さんは発表会やイベントで毎回、とてもわかりやすく解説してくださるので、以前よりインタビューをお願いしており、今回ようやく実現した形である。まずうかがったのは、コナの強みだ。

まず、佐藤さんによると他の多くのBEVがICE、つまりエンジン搭載車をベースにしているのに対し、コナはBEVを前提に開発されたことだという。ちなみに現在、ヒョンデは日本でEVのみを投入しているが(ネッソだけ水素が燃料)、ワールドワイドで見るとコナは、1.6Lターボと2LのICEモデル、そして1.6LのICEとモーターを組み合わせたハイブリッドも用意されている。

BEVを前提としたことで、フラットなフロアを実現。室内も荷室も広大なスペースを確保することができた。アイオニック5もそうなのだが、コナは特に後部座席の広さがひとつのウリになっている。

さらに、フロントフード内にもトランクスペース、いわゆる『フランク』を確保。普通充電のための充電器などを収納することができている。

デザインのポイントは前後ライトまわり

また、佐藤さんはコナのデザインについても特徴を挙げている。『アーマーデザイン』と呼ばれる、ひとめでコナとわかる個性はもちろんだが、ポイントは前後ライトまわりだ。

サイドの写真がわかりやすいのでよく見て頂きたいのだが、前後ともライトがオーバーフェンダーの一部になっているのだ。これはコストも技術力も必要なので生産の現場は嫌がるのが普通だが、ヒョンデの場合は『ヒョンデ・スチール』という関連会社が担当し実現したのだという。

サイドから見たコナ。前後ともライトがフェンダーの一部まで食い込んでいる。
サイドから見たコナ。前後ともライトがフェンダーの一部まで食い込んでいる。    ヒョンデ・モビリティ・ジャパン

確かにコナのフォルム自体はシンプルなのだが、まるでロボコップのようなフロントヘッドライト、斜めに入るサイドのキャラクターライン、そして前後ヘッドライトというディテールの数々で、他の何にも似ていないデザインを実現している。

佐藤さんも「特にハザードを点けて駐車していると、遠くからでもすぐにわかるんですよね」と、嬉しそうに話されていた。こうしたユニークさが、グローバルでも評価されているそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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