【スーパーカー超王が感動】美しさはまさに芸術品!パガーニ・ウアイラ・コーダルンガに10台限りのスピードスター登場

公開 : 2025.07.11 11:45

パガーニからニューモデル、『ウアイラ・コーダルンガ・スピードスター』が発表されました。2023年に登場し5台が製作された『ウアイラ・コーダルンガ』のオープンバージョンです。スーパーカー超王こと山崎元裕が紹介します。

ロングテールを意味するコーダルンガの称号

イタリアのパガーニから新たなニューモデル、『ウアイラ・コーダルンガ・スピードスター』がリリースされた。これは2023年のコンコルソ・ディ・エレガンツァ・ヴィラ・デステにおいてデザインアワードを受賞した、『ウアイラ・コーダルンガ』のオープンエアバージョン。

ロングテールを意味するコーダルンガの称号が与えられたこのモデルは、その後わずかに5台の限定車としてデリバリーが行われたが、今回のスパイダーは2026年から10台限定で製作される予定だ。

パガーニから新たなニューモデル、『ウアイラ・コーダルンガ・スピードスター』がリリース。
パガーニから新たなニューモデル、『ウアイラ・コーダルンガ・スピードスター』がリリース。    パガーニ・アウトモビリ

そもそもウアイラ・コーダルンガは、パガーニというブランドに魅せられた熱狂的なカスタマーが、1950年代や1960年代のレーシングカーに採用されたロングテールデザインを現代に復活させることを望み、パガーニの創業者であるとともにデザイナーのオラチオ・パガーニ氏に、そのコンセプトを具現化した限定車の誕生を熱望したことに始まるプロジェクトだった。

今回のスピードスターはもちろんその延長線上にあるモデルで、実際の開発と製作は、パガーニの中でも特別な限定車を担当する社内部門のグランディ・コンプリカツィオーニによって行われる。

それにしてもこの最新のパガーニを表現するのには、どのような言葉を選ぶべきなのだろうか。その美しさはもはや神秘的な芸術品の域に達している。

オラチオ・パガーニ自身はそれを、「エレガンス、抑制、さらには調和というものを体現するものであり、それぞれのラインの純粋さと細部への絶対的なこだわり、美学と機能のバランスをストイックに追求した造形だ」と語る。

時代を超えたエレガンスを想起させる

感動的なまでのエクステリアの美しさを持つウアイラ・コーダルンガ・スピードスターだが、インテリアのフィニッシュもまた大きな見どころだ。

こちらもそのデザインは小さなスイッチ、あるいはボルトやリベットの一本一本に至るまでパガーニ氏によって行われ、そこにはやはり時代を超えたエレガンスを想起させる世界がある。

コーダルンガ・スピードスターは、インテリアのフィニッシュも大きな見どころ。
コーダルンガ・スピードスターは、インテリアのフィニッシュも大きな見どころ。    パガーニ・アウトモビリ

トリムなどに使用される生地には、パガーニ車の伝統的なディテールともいえる4本出しのエキゾーストシステムにモチーフを得たとされる刺繍が施され、その刺繍は実に45万を超えるステッチで構成されているという。

エクステリアにおいてストイックなまでに追求された機能性は、もちろんこのインテリアを語るうえでも大きな特長。もちろんカスタマーの希望によるパーソナリゼーションにも限界はない。10台のスピードスターは、それぞれに異なった雰囲気を醸し出したインテリアを持つことになるだろう。

パノラミックハードトップの採用も見逃せない。ポリカーボネイト製の透明なセクションは、剛性を損なうことなく重量を軽減することに大きな効果を発揮。

参考までにこのスピードスターに使用されるカーボンモノコックは完全な新設計によるもので、それ自身が持つ軽量性と高い剛性は、走りの基本的な性能を究極の域へと導く、最も重要な要素となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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