【日本は世界で2番目の市場】マクラーレンの新セールス&マーケティング責任者に訊く現状と近未来

公開 : 2025.04.10 11:05  更新 : 2025.04.11 17:16

今年1月にチーフ・コマーシャル・オフィサーへ就任した、ヘンリク・ウィルヘルムスマイヤー氏が来日。新たにマクラーレンのグローバルな販売およびマーケティングにおいて陣頭指揮を執ることになった氏に、山崎元裕がインタビューを行います。現状と近未来を訊きました。

パフォーマンスに特化したブランド

究極のパフォーマンスを限られたカスタマーのために提供する『W1』から、それまでのスーパースポーツとは一味違う、GT的な雰囲気も併せ持つ『GTS』まで、『750S』と『アルトゥーラ』をコアとしたラインナップで成長を続けるマクラーレン・オートモーティブ。

この度、今年1月にチーフ・コマーシャル・オフィサーへ就任した、ヘンリク・ウィルヘルムスマイヤー氏が来日。マイケル・ライターズCEO直属の立場でマクラーレンのグローバルな販売とマーケティングにおいて陣頭指揮を執ることになった氏に、短い時間ではあるがインタビューを行う機会を得た。

マクラーレン・オートモーティブの最高コマーシャル責任者、ヘンリック・ウィルヘルムスマイヤー氏。
マクラーレン・オートモーティブの最高コマーシャル責任者、ヘンリック・ウィルヘルムスマイヤー氏。    マクラーレン・オートモーティブ

これまでBMWロールス・ロイスで手腕を奮ってきたウィルヘルムスマイヤー氏は、いわばプレミアムブランドのスペシャリストともいえる人物だ。そのノウハウを聞くにあたってまず尋ねたかったのは、これまで外から見たマクラーレンにどのような印象を抱いていたか、だった。

「あえてこう表現するのならば、マクラーレンは研ぎ澄まされた、パフォーマンスに特化したブランドですね。レーシングトラックから生まれたブランドなので、多くのメーカーとはオリジンの時代が違います。小さな企業ではありますが、本当にひとりひとりが情熱を持って、パフォーマンスを追求するために働いています」

『Build on your McLaren』という言葉

――セールスのうえでお客様に訴えかけるものは、やはりパフォーマンスなのでしょうか?

「企業、エンジニアリングともにパフォーマンスに優れていると思いますので、それを訴えかけることは重要です。ですが、それ以外のものもこれから伝えていきたいと考えています。例えばMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)の存在です。この部門で何をすることができるのか。『Build on your McLaren』という言葉を、お客様に理解して頂きたいとも考えています」

リテーラーを通してもMSOの強み、何ができるのかを伝えていきたいとウィルヘルムスマイヤー氏。
リテーラーを通してもMSOの強み、何ができるのかを伝えていきたいとウィルヘルムスマイヤー氏。    マクラーレン・オートモーティブ

――『My McLaren』という意味を考えると、日本においてはまだMSOの存在はあまり知られていないように感じます。

「とても良い見解だと思います。私はまだマクラーレンで日が浅いのですが、日本におけるMSOの認知はまだ十分ではないと考えています。本当にたくさんのことができるのに、それが十分にお客様に伝わっていないのです。

リテーラー(正規ディーラー)を通してもMSOの強み、何ができるのかを伝えていきたいですし、デジタルを使ってお客様ご自身がイメージしたものを視覚化して見るシステムもあります。

多くの素材やサンプルをご用意して、日本のお客様がイメージしやすいシステムを作っていきたいですね。最終的にはサリー州ウォーキングから出荷されるマクラーレンは、すべてMSOの手が加えられたモデルにしたいというビジョンが私にはあります」

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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