GSに通じる見た目も魅力 シトロエンC4へ試乗 出だし活発なマイルドHV 中身は堅実

公開 : 2025.02.08 19:05

シトロエンの稼ぎ頭の1台、C4が小改良 GSに通じるスタイリング 車内は平均的な広さ 2km前後は電気だけで走行可 出だし活発なマイルドHV 揺れが残りがちな乗り心地 英編集部が評価

シトロエンの稼ぎ頭の1台 GSに通じる雰囲気

個性的な見た目のシトロエンC4。2021年登場の3代目は、英国では同ブランドの稼ぎ頭の1台になっている。高めの全高を持つハッチバックでありつつ、シルエットは前後が先細り。革新的な伝統も感じさせる、好ましいモデルだといえる。

1971年、欧州カー・オブ・ザ・イヤーをシトロエンGSが受賞した。それから半世紀。C4には、それへ通じる雰囲気が漂う。特にひし形をモチーフとしたボディの造形は、GSに影響を受けたもの。傾斜したテールゲートも、その1つだろう。

シトロエンC4 ハイブリッド136 マックス(欧州仕様)
シトロエンC4 ハイブリッド136 マックス(欧州仕様)

2025年を迎え、C4はフェイスリフト。スタイリングはリフレッシュされ、インテリアはモダンさを強めている。同時に、パワートレインのラインナップも見直された。

フロントノーズには、1919年のオリジナルロゴへ影響を受けた、大きなダブルシェブロンが据えられた。スリムなヘッドライトを、バー状のLEDデイライトが囲む。

デザイン部門のピエール・ルクレール氏によれば、テクニカルな見た目を求めつつ、ワイドでクールなスタンスを与えることが目標だったとか。テールゲートには、CITROENとアルファベットが並ぶ。樹脂製のフェンダーアーチも、形状が新しくなった。

最低地上高は150mmと、同クラスのハッチバックでは高め。ボンネットやウエストラインの位置も高く、クロスオーバーらしいバランスにある。ボディ塗装は6色が設定され、ツートーンのルーフも選べる。アルミホイールは、18インチが標準だ。

車内は平均的な広さ 見やすい前方ディスプレイ

車内での新アイテムが、アドバンス・コンフォートシート。従来品より15%ほど大きくなり、快適性を高めつつ、見た目も良くなったとシトロエンは主張する。ただし、背もたれは上部が硬めで、太股部分のサポート性はもう少し欲しい。

背もたれの角度などは手動調整で、目線の位置は高め。運転席周りの広さは、このクラスの平均といえる。正面には7.0インチのメーター用モニターが据えられるが、最新感が強いとはいえないだろう。

シトロエンC4 ハイブリッド136 マックス(欧州仕様)
シトロエンC4 ハイブリッド136 マックス(欧州仕様)

ヘッドアップ・ディスプレイは、ダッシュボード奥のクリアな樹脂製パネルに投影される。ドライバーに合わせて、見やすい位置へ変更できるのが美点。センターコンソールのデザインは上品で、エアコンの操作パネルには、実際に押せるハードボタンが残る。

後席側は、背の高い大人が前席へ座ると平均的な広さ。荷室はトノカバー下で380L。これも、平均的な容量といえる。

内装は、フェイスリフト後でも、若干安っぽいプラスティックが目立つ。配色はブラックとダーク・グレーが中心で、明るいとはいえない。艶のある樹脂製パネルには、指紋が残りやすく気になった。

インフォテインメント用モニターは10.0インチ。最新のソフトウエアが稼働するが、反応は若干遅め。トップ画面には大きなアイコンが並ぶものの、掘り下げていくと表示が細かくなり、走行中の操作は難しい。

そのかわり、音声でのナビ操作は良く聞き取ってくれていた。スマートフォンとの連携には、ワイヤレスで対応。USB-AとUSB-Cのポートも備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×