BMW 自動運転の時代に「駆けぬける歓び」追求 ドライビングの楽しさと性能を重視

公開 : 2025.04.29 06:45

レジャーとしての乗り物の人気

クルマがますます「インテリジェント」になり、移動プロセスにおける人間の入力の必要性が低下するにつれて、ドライバーは自分でハンドルを握るタイミングを積極的に決定しなければならならなくなる。そのためにはインセンティブが必要になると、ケルバー氏は指摘している。

「現在でもすでに、都市部や渋滞、通勤など、運転が楽しくない状況やユースケースが存在すると思います。そして、人々は他の領域やユースケースにおいて、積極的に運転を選択するようになるでしょう。意識的にそうするのです。運転するという意識的な選択によって、(車両ダイナミクスの魅力が)より重要になるでしょう」

上海モーターショーで公開されたBMWビジョン・ドライビング・エクスペリエンス・コンセプト
上海モーターショーで公開されたBMWビジョン・ドライビング・エクスペリエンス・コンセプト

「わたしは、ADASと自動運転が重要になり、それと同時に運転の楽しさと性能もこれまでよりも重要になると予測しています」

中国では週末に郊外をバイクで走ることが人気を集めており、ケルバー氏はこのことを、乗り物をレクリエーション活動として楽しむ傾向の強まりを示す好例として挙げた。

「では、なぜ最終的には単なるロボットタクシーへと向かうのでしょうか? 感情に訴えるクルマに多額の投資をしたのに、それを受動的に使うだけです。わたしにとっては、それはまったく意味のないことです」

「駆けぬける歓びは、今後も失われることはないと思います。むしろますます高まるでしょうし、それがBMWにとって非常に重要です」

「当社は市場の100%をターゲットとしているわけではありません。特定の層を対象としており、その層に対してはBMWらしさを保ちたいと考えています」

「すべてのトレンドを追いかけ、すべての機能を取り入れていくのは最悪の選択です。それはBMWらしくありません」

BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏も、駆けぬける歓びを重視している。同氏はAUTOCARに対して、将来のモデルが高度な自動運転機能を備えたとしても、「わたし達は、お客様が常にコントロールできるようにしたい」と語った。

「いつ運転したいか、いつ自動運転に切り替えるかをお客様に決めていただきたい。ノイエクラッセの場合、この新しいインテリジェンスにより、車両のハンドリング特性を向上させる新しいコントロールユニット(ハート・オブ・ジョイ)の誕生につながりました」

ハート・オブ・ジョイは、9月のミュンヘン・モーターショーで発表予定の次期iX3に搭載され、市販車デビューを果たす。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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