BMW、革新的な高性能EVプロトタイプ公開 次期『M3』の実験車両

公開 : 2025.04.25 18:45

BMWは次世代EVプロトタイプ『ビジョン・ドライビング・エクスペリエンス』を公開しました。4モーターを搭載し、車両を一元管理する『ハート・オブ・ジョイ』というコンピューターの実験台となっています。

中心は『ハート・オブ・ジョイ』

BMWは高性能EVのコンセプトモデル『ビジョン・ドライビング・エクスペリエンス(Vision Driving Experience)」を公開した。次世代EVに導入される先進技術を磨き上げるための4モーター搭載のテスト車両だ。

4基の高出力モーターを各アクスルに搭載したパワートレインレイアウトは、次期M3の計画と明確な共通点があるが、BMWはあくまでも広範な目的を持った走行試験装置と位置づけている。車両開発に重点が置かれているため、出力などの数値については未公表だ。

BMWビジョン・ドライビング・エクスペリエンス
BMWビジョン・ドライビング・エクスペリエンス    BMW

その他の革新的な要素としては、いわゆる「ファンカー」のように車両を地面に吸い付けるよう設計された5つのファンや、上海モーターショー用に追加された、暗闇でも見える蛍光塗装などが挙げられる。

最大の焦点は、ドライブトレインとドライビング・ダイナミクス・システムを統合管理する車載コンピューター『ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)』の開発の促進にある。このコンピューターは、今年後半に発表予定の次期iX3をはじめ、すべてのノイエ・クラッセEVに搭載される。

BMWの開発責任者であるフランク・ウェーバー氏は、ハート・オブ・ジョイにより、「ドライビング・プレジャーを次のレベル、そしてさらにその先へと引き上げることができる」と語り、「効率的なダイナミクスを2乗する」ものになると付け加えた。

AUTOCARは、ビジョン・ドライビング・エクスペリエンスの試乗と、開発担当者へのインタビューの機会を得た。その内容については記事【「4モーター」BMW M3の試験台 ビジョン・ドライビング・エクスペリエンスへ同乗 トルクは1831kg-m】で紹介している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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