BMW次期『1シリーズ』 3年以内に発表か エントリーモデルの存在を重要視

公開 : 2025.04.28 18:45

BMWは『1シリーズ』の後継となる新型EVを2028年までに投入すると予想されています。ラインナップのボトムエンドを担う小型車に関してBMWは、「非常に重要な役割がある」との認識を示しました。

小型ハッチバック、2028年までに導入か

BMW 1シリーズは、今後3年以内にフルモデルチェンジを敢行し、第4世代として刷新される見込みだ。次世代EVファミリー『ノイエ・クラッセ』への移行に伴い、小型車にも「果たすべき非常に重要な役割」があるとしている。

メルセデス・ベンツAクラスを現行世代限りで引退させ、アウディもA1とQ2の生産終了に向けて動く中、BMWはノイエ・クラッセのエントリーモデルとして次期1シリーズの導入を検討しているようだ。

現行型の1シリーズ
現行型の1シリーズ

BMWは、9月のミュンヘン・モーターショーで第2世代のiX3を発表し、ノイエ・クラッセの量産車第1弾とする。

ノイエ・クラッセX5のプロトタイプも最近目撃されており、また現行5シリーズは新しい兄弟車と足並みを揃えるために大幅なデザインの見直しが行われる予定である。

エントリーモデルの重要性

BMWは次期1シリーズの計画を公式には認めていないが、AUTOCARは以前、社内でゴーサインが出されたと報じている。そして今回、BMWの製品責任者であるベルント・ケルバー氏が、ハッチバックは依然として同社における重要な役割を担っていると述べた。

「当社はグローバルプレーヤーであり、全てのポートフォリオをカバーしています。エントリーモデルはさまざまな理由から非常に重要な役割を担っているのです」と、彼は上海モーターショーで語った。

ノイエ・クラッセファミリーの2台
ノイエ・クラッセファミリーの2台    BMW

「まず、イタリアやフランスのように、1シリーズが20%、30%、40%のシェアを獲得している地域もあります。グローバルプレーヤーとして存在感を示すためには、1シリーズのシェアが非常に高い市場も大切にしなければなりません」

ケルバー氏によると、売れ筋のセダンやSUVモデルよりも低価格帯のモデルを展開することは、ブランドのリーチを広げ、ターゲットの市場を多様化するという観点からも重要だという。

「1シリーズは若い顧客にとって特に重要です。ブランドの若さを保ち、また顧客を開拓していくためには、1シリーズがとても重要なのです」

ケルバー氏はまた、競争が激しく利益率の低いことで知られる小型車市場にとどまることで、すべてのセグメントで可能な限りの競争力と効率性を発揮できると述べた。

「ミニ(MINI)も同じようなものです。小型車セグメントでの競争を通じて、 “柔軟性” と “コスト効率” の点で多くの能力を得ることができます。小型車セグメントから撤退するということは、最もコスト効率の高いプレーヤーになるという挑戦から降りるということなのです」

「当社の見解では、総販売台数がすべての市場で重要な意味を持っています。若い顧客を惹きつけるという点でも、また低価格帯のセグメントで機能するソリューションを見出すというプレッシャーという観点からも、ブランドにとって大きな意味があります」

ケルバー氏は次期1シリーズの詳細については明かさなかったが、現行車は最近アップデートされたばかりで、BMWは今後3年半以内にノイエ・クラッセの展開を完了する予定であることから、次期型は2028年頃に登場すると予想されている。

パワートレインとしては、ガソリンエンジン車とバッテリーEVが用意されるだろう。フォルクスワーゲン・ゴルフアウディA3のような従来のエンジン車だけでなく、ルノーメガーヌEテックのようなEVとも対峙することになりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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