BYDが高級2ドア・スポーツカー『Z』初公開 ポルシェ911に対抗? ステア・バイ・ワイヤ搭載

公開 : 2025.04.28 07:45

BYDは高級車ブランドのデンツァから新型EVコンセプト『Z』を上海モーターショーで公開しました。ミドシップ車のようなデザインの2ドア・クーペで、ステア・バイ・ワイヤ技術とロー&ワイドなボディを備えています。

2+2の電動クーペ 欧州にも導入か

BYDが展開する高級車ブランド、デンツァ(騰勢、Denza)は、ポルシェ911マセラティ・グラントゥーリズモのライバルとなる新型EVスポーツカーのコンセプトモデルを公開した。

『Z』と名付けられたこのモデルは、ミドシップスポーツカーのようなキャブフォワードデザインの2ドア・クーペだ。しかし、911やメルセデスAMG GTと同様に、後部座席に2人の乗員を乗せることができる。

上海モーターショーで公開されたデンツァZコンセプト
上海モーターショーで公開されたデンツァZコンセプト    AUTOCAR

仕様詳細は未公開だが、低く構えたワイドなボディと大型のリアウィングは、パフォーマンス重視の姿勢を如実に表している。

参考までに、グランドツアラーのデンツァZ9 GTは、合計出力965psの3モーターパワートレインを搭載しており、今回のZでは1000psに迫る可能性がある。

各車輪を個別に制御して平行移動(カニ歩き)する機能など、Z9 GTで見られる革新的な特徴を一部踏襲するだろう。

注目すべきは、Zでは従来のステアリングラックを廃止し、フロントエンドとインテリアに物理的な接続のないステア・バイ・ワイヤ・システムを採用している点だ。この電子制御システムにより、巡航時のスムーズな操作感と、スポーツ走行時の応答性を両立することができるという。また、レーシングカーの影響を受けたフラットボトム形状のステアリングホイールは、使用しない際に折りたたむことが可能だ。

Zはまた、道路表面の変化に10ミリ秒未満で対応できるとされる新しい磁性流体ダンパーを採用している。

デンツァは、ポルシェのような高性能車ブランドをターゲットに欧州進出を開始したばかりだ。

BYD の副社長、ステラ・リー氏はAUTOCARの取材に対して、欧州市場への参入は「それほど難しいことではない」と語り、車両性能と、元アウディのデザイナー、ヴォルフガング・エッガー氏が手がけるスタイリングを強調した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×