コルベットが量産初FRPボディ 改良版2CVがビジュー? 無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車(1)

公開 : 2025.06.29 17:45

シトロエン・ビジュー(1959〜1964年)

シトロエンは、2CVのグレートブリテン島での生産を1954年に始める。豪華な内装やクロームメッキ・トリムなどを採用し、保守的な英国人に向いたクルマになるよう工夫した。それでも、風変わりな2CVのカタチは、充分には受け入れられなかった。

そこで余っていたシャシーとエンジンを活用し、共感を得られるボディを被せた英国独自のモデルが、シトロエン・ビジュー。1959年に発表されている。

シトロエン・ビジュー(1959〜1964年)
シトロエン・ビジュー(1959〜1964年)

設計を主導したのは、FRP製モノコックという革新的なロータス・エリートを生み出した、ピーター・カーワン・テイラー氏。シトロエンDSを彷彿とさせるスタイリングで、425ccエンジンやシングルスポークのステアリングホイールなどを包んだ。

しかし、この年にはBMCミニとフォード・アングリア、トライアンフ・ヘラルドも登場。より高価だったビジューの販売は、伸び悩んだ。乗り心地が強みだったが、FRP製ボディは2CVより重く、動力性能は振るわなかった。生産は221台に留まっている。

★マニアな小ネタ:シトロエンは、FRPを積極的に採用した1社。1955年のDSでは、半透明のルーフパネルにFRPを用いている。1968年のメハリや、1980年代のBXやAXでもFRPは用いられた。

この続きは、無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ゲイリー・アクソン

    Gary Axon

    英国編集部ライター
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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