シボレー・コルベット、今後もV8を搭載 EVは「サイエンスフィクションだ」と開発者
公開 : 2025.07.18 18:45
シボレー・コルベットは今後もV8エンジンの使用を続けると、開発責任者が語りました。EV版はまだ『コルベット』の名前にふさわしい魅力を備えておらず、規制を満たすためだけのEVは作らないとしています。
規制を満たすためだけのクルマは作らない
シボレー・コルベットは今後もV8エンジンを搭載し続けると、開発責任者が語った。親会社であるゼネラルモーターズ(GM)は、「規制を満たすためだけに」EVを作るつもりはないという。
欧州向けのコルベットは、GMにとって4年ぶりの市場復帰を象徴するモデルとして、2021年に導入された。現在ラインナップには、サーキット志向のZ06とV8ハイブリッドモデルのE-Rayなどがあり、今後1年間でキャデラックの電動SUVであるオプティックとリリックも追加される予定だ。

しかし、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでAUTOCARの取材に応じたGMのチーフパフォーマンスカーエンジニア、トニー・ローマ氏は、EV化の未来を見据えているものの、コルベットEVの計画は正式にはまだ策定されていないと述べた。「十分な性能を備えたクルマを作るために何が必要かについては話し合っていますが、現時点ではまだサイエンスフィクションの域を出ません」
GMは最近、未来的なコルベットのEVコンセプトを公開したばかりだが、市販導入の計画はまだ具体的ではないようだ。
コルベットは引き続き、自然吸気(規制が許す限り限り)またはE-Rayのようにハイブリッド化したV8エンジンを使用し続けることになる。
コルベットの存在意義を否定することになる
しかし、フェラーリやランボルギーニがプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレインを導入しているのに対し、コルベットPHEVの計画はないとローマ氏は言う。
「プラグインは、重量、コスト、複雑さの問題から、作る価値はないと思います」

「そこで、E-Rayでは、ある意味逆のアプローチを採用しました。特定のメーカーを非難するつもりはありませんが、評価を見てみると、一部の競合他社には、走行モードや充電モードの選択など、操作が面倒だという批判を受けているところもあります」
「しかし、E-Rayを運転するときは、エンジンをかけて走るだけです。単なるハイブリッドです。バッテリーの充電もすべて自動で行われます。バッテリーを早く充電したい場合は、そのためのボタンがあります。基本的にはそれだけで、シンプルで使いやすいようにしています」
ローマ氏はまた、「規制当局から何らかの補助金」が与えられれば、「PHEVの採用を検討する」と付け加えた。
将来的に、EVのコルベットを作ることになった暁には、単に速いだけでなく「魅力的」でなければならないとした。例えば、0-100km/h加速タイムは「あらゆるクルマが信じられないほど速く」、もはや「意味のない指標」になっているという。
近い将来、ユーザーが「非常に速い(電動)セダン」を毎日運転するようになれば、「何か違うもの」を求め始めるため、シボレーはどのように他と差別化するかを検討する必要がある。
ローマ氏は、「それがわたし達の課題です。何か違う、魅力的なものを考え出すことです」と述べた。
「なぜ、コルベットのようなクルマを購入するのでしょうか? 何か特別なものを求めているからです。運転という芸術に没頭したいから購入するのです」
「その方法を見つけ、電動化が進めば、EVも発売するでしょう。しかし、ただEVを作るためだけに、このクルマのEV版を作るつもりはありません。それは、このクルマの存在意義を否定することになるからです」






















