グループBのRS 200 グループ5のBMW M1 無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車(2)

公開 : 2025.06.29 17:50

高い自由度で少量生産メーカーの心強い新素材になったFRP 軽量スポーツカーの普及に貢献 名門ブランドも着目 コルベットにRS 200、M1まで FRPボディの珍車・名車をUK編集部が振り返る

フォード RS 200(1985〜1986年)

1980年代初頭の世界ラリー選手権では、グループBカテゴリーでプジョーランチアなどが猛威を振るった。ここへ一戦交わるべく、フォードが開発を進めたのがFRP製ボディのラリーマシン、RS 200だ。

しかし、デビューシーズンとなった1986年のポルトガル・ラリーで、走行中の事故により観客3名が命を落とす。これも一因で危険性への危惧が高まり、1987年シーズンを迎える前に、グループBカテゴリーは廃止されてしまう。

フォード RS 200(1985〜1986年)
フォード RS 200(1985〜1986年)

RS 200は戦う場を失っただけでなく、一部の購入希望者が辞退。公道用仕様を200台提供するという、ホモロゲーションの規定にも合致できなかった。最終的な生産は、158台だといわれている。

FRP製ボディは、イタリアのギア社が製造を担当。シャシー中央のタブ構造は、アルミとスチール、カーボンファイバーを複合的に採用している。ミドシップされたエンジンは、コスワース社による1.8L 4気筒ターボ、BDTユニットだった。

★マニアな小ネタ:フォード GT40とGT70も、FRP製ボディをまとう。トランジット 2に設定されたピックアップトラックの荷台も同様で、RS 200と同じくリライアント社の工場で生産された。

BMW M1(1978〜1981年)

グループ5カテゴリーで圧倒的な勝利を重ねたポルシェを打倒するべく、BMWが1970年代後半に開発へ着手したのが、同社初のミドシップ・スーパーカー、M1。FRPボディを採用したのも、BMWとしては初めてだった。Mモデルのご先祖といえる。

当初はランボルギーニとの共同で開発は進んだが、経営破綻をきっかけに提携は解消されている。スタイリングと製造は、イタリアのイタルデザイン社。FRP製ボディは、スチール製スペースフレーム・シャシーにリベットで固定された。

BMW M1(1978〜1981年)
BMW M1(1978〜1981年)

エンジンは、M88型と呼ばれる3.5L直列6気筒。276psの最高出力が、1300kgの車重を受け止め、最高速度は259km/hに届いた。しかし、グループ5カテゴリーはレギュレーションが変更され、期待通りの活躍はできていない。

イタリアで製造されるシャシーは複雑で、生産は遅れ気味だった。また、価格はV12エンジンのフェラーリ512 BBより高く、公道用モデルの生産は399台で終わった。

★マニアな小ネタ:M1から10年後、BMWはFRP製ボディのZ1を発表している。熱可塑性樹脂を用いたサイドパネルは取り外し可能で、ドアは上下に動いた。一式のボディパネルは約40分で交換でき、好きな色への変更も可能だとうたわれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ゲイリー・アクソン

    Gary Axon

    英国編集部ライター
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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